福島県教育センター所報ふくしま No.63(S58/1983.10) -027/042page
(2) 学業指導研究部
1 研究の視点
生徒理解研究部や特別活動研究部の研究内容との関連を深め,学習を阻害している要因をつきとめ,その改善を図ることにより「学びとる」満足感,成就感の味わえる学習活動のあり方を追求する。2 視点についての考え方
本校では生徒の実態を把握するためアンケートや諸検査を実施してきた。その結果を検討すると学習面では次のようなことが指摘できる。
ア なれあい的で,依存性が強く,学習活動が消極的である。
イ 「学びとる」という意欲に乏しい。
ウ 目標が低く,可能性を追求する意欲に乏しい。
これらの問題を解決するには,単に学業指導の改善や工夫だけで解決できることではなく教育活動全般にわたって取り組まねばならない。したがって,他の研究部との密接な関連を図りながら「学習基礎訓練」「意欲の高揚の図り方」「不適応要因の排除」など生徒の日常的な学習活動の改善を図ることにした。
3 研究の概要
ア 学習基礎訓練の図り方
「学習の手引」をもとに指導しているが現実は多くの問題点があげられる。そこで本年度は「学習の手引」と「生活のしおり」の内容改善を図り,さらに,2冊を1冊にまとめ「生活・学習ノート」とした。
また,学習の過程をPlan(目標・計画を考える段階)→Do(自ら実践する段階)→See(たしかめる段階)の三段階に分け,これを学習の約束「P.D.S学習」と呼ぶことにした。この「P.D.S学習」の考えを「生活・学習ノート」の活用にとり入れることにより,授業の中で,家庭学習の中でP.D.Sサイクルを意識して学習するよう心がけている。
昨年10月から今日まで約1年間継続実施されており,生徒の生活に定着しつつある。
イ 学習意欲の高揚
一人一人の生徒が意欲的に取り組む学習活動がすなわち生徒指導の機能が働いている活動ととらえることができる。本校では各教科指導において生徒指導の配慮点を検討し,常に生徒指導の機能を意識して教科指導にあたっている。例 国語科の場合
さらに,教科指導における生徒指導の機能が有効に働くよう指導案を次の様に改善し,年6回の授業研究を実施することにより検証を行っている。
昭和58年度は「P.D.S学習」との開運を深めて授業の充実につとめている。