福島県教育センター所報ふくしま No.63(S58/1983.10) -032/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

カ 何度か歌ったり,旋律楽器で演奏してみてまとまったならば,発表して聴き合う。
  発表のとき,友だちどうしで良くできたところは認めあわせる。不自然な旋律については,教師が個別に指導をするが児童の発想を大切にするために最小限の手なおしとする。キ 発表した児童の選んだ音と同じ昔を使って,全員で創作してみる。
ク できた児童は順に発表して比較する。
ケ よくできたものを教師が板書し,全員で 表現してみる。

<創作例No.2>
創作例No.2

ア 1小節めの初めの音を白い階名カードの中から音を選び出し,五線紙に書きこむ。
イ 選んだ音を手がかりに声や旋律楽器で自由に表現する。
ウ 2小節の初めの音を赤い階名カード(ファ・ラ)の中から好きな音を選び出し,記譜する。
エ その音から1小節の旋律と関連づけながら声や旋律楽器で自由に表現する。
オ 3小節,4小節をアからエまでと同じ方法で表現する。
カ 1小節から4小節まで続けて歌ったり,楽器で演奏したりしてより自然な旋律にまとめる。
 以下bPの場合と同じようにする。

<創作例No.3>
創作例No.3

 bP,bQに順じて表現する。

<創作例No.3>

 bP,bQ,bRに順じて表現する。

 2 表現したものを記譜する方法

<創作例No.1>より

 ア 1小節の初めの音を白い階名カードの中から好きな音を選び出し,記譜する。
 イ その音から自由に声や楽器で表現する。
 ウ 表現した旋律をリズムや音高を確かめながら五線紙に記譜する。 エ 2小節の初めの音をアと同じようにして選び,記譜する。
 オ 1小節と関連づけながら2小節めを表現する。
 カ 表現したものをウと同じ方法で記譜する。
 キ 発表などについては前の扱いと同じ。
※ bQ,bR,bSについてはこれと同じに扱う。

3 かんたんな詩に旋律をつける方法

<創作例No.5>

   ア ことばのまとまりを考えて,それぞれのことば を小節に分ける。
   イ 何回も声や楽器で表現してみる。
   ウ 以下,最初の例と同じようにする。

4.おわりに
 今回の創作指導を通して次のことがわかった。
(1)自作の階名カードから音を選ぶことにより,創作の糸口を容易につかむことができた。
(2)楽譜に対する理解ができて,記譜することにも真剣に取り組む児童が多く見られた。
(3) 楽しく発表できた。 一方,今後の課題としては,カードを使っても創作のできない児童への手だてである。また,今回は,創作の基礎指導として,その意欲を持たせることに重きをおいたが,更に,一人一人の創造性を高めていくための工夫である。
  これからも創作指導のあり方の改善・充実を目指し研究を深めていきたい。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。