福島県教育センター所報ふくしま No.64(S58/1983.12) -0/21042page
研究報告
学級担任による生徒指導を効果的にすすめるための改善
会津若松市立第四中学校教諭 田 部 貞 光
1.研究の趣旨
本校の生徒指導で改善を要することについて全職員対象の調査の1部から,次のようなことが指摘されている。
生徒指導の基盤は学級であるが,学級が個個ばらばらに担任の主観のみによる生徒指導がおしすすめられるとしたら,学校全体として一貫した指導はできるはずはない。
学級という集団の中で,学校全体の問題点を把握し,それを解決して,より向上を目指すという指導体制の確立が図られなければならないのではないか。学級は全校の分節であるとともに,それ自体が独自性を有する集団である。しかし,学級の指導は全校の目標からかけはなれた指導であってはいけない。全校の指導計画と学級の指導計画が密接に関連し,指導のめあてが明確に位置づけられるように改善しなければならない。これが本校生徒指導の課題の一つである。
本校では,学級・生徒会諸活動.奉仕活動,その他学校生活全般にわたって反省・評価を行い,問題点を改善しよりよい学校生活を目指そうというねらいのもとに,「生活反省会」を創意の時間(金曜日)に実施している。
この生活反省会について,大部分の学級担任から,次のようなことが指摘されている。(1)学校全体の目標.生徒会週目標が軽んじられまたは無視されて,学級の実情にのみ重点をおいた活動目標を設定している傾向がみられる。
したがって,生徒会各種委員会の週目標は,学級で具体的に展開されていないようである。
(2)生活反省会は,生徒の自主的活動であるという考えからか,担任は生徒に任せきりの傾向が見られる。以上の問題点を解決するための視点として,
(1)全校と学級の指導計画を関連づけられるような生活反省会に改善する。
(2)担任が生活反省会での指導や実践活動における援助・適応指導,評価などについて共通理解のもとにすすめられるようにする。の方策を設定した。
この方策により,少しでも生活反省会が改善されれば,学級担任は生活反省会をとおして生徒指導を効果的にすすめられるだろうと考え,本主題を設定した。2.見とおし
生徒指導全体計画に関連づけられるように生活反省会を改善し,ー方担任が生活反省会での指導や,実践活動における援助指導,適応指導,評価などについて共通理解のもとにすすめるなら,生活反省会をとおして生徒指導は効果的にすすめられるであろう。
3.研究の方法と対象
(1)研究の方法
(2)研究の対象
- 基礎調査……(本校生徒指導上の諸問題)
- 第一次調査…(生活反省会に対する調査)
- 改善策による実践
- 第2次調査 (変容についての調査)
- 今後の課題を明らかにする
本校職員(学級担任男12,女9)計21名4.研究の結果と考察
(1)第1次調査
生活反省会についての考え方および実践活動における指導の実態についての調査と考察