福島県教育センター所報ふくしま No.64(S58/1983.12) -026/042page
研究プロジェクト状況報告
学習指導と評価に関する研究
研究企画推進委員会
1.はじめに
当教育センターでは,昭和55年度から3か年の継売研究として,「学習指導の個別化に関する研究」こ取り組み,その研究結果については,当センター紀要第41・47・51号で発表したところである。
これは,新しい教育課程の実施に当たって要請された授業の質的転換への対応として,授業研究を通して,特に「個に確かな学習」を成立させる学習指導法の研究であった。本年度から開始された「学習指導と評価に関する研究」は,さきの研究成果をふまえ,更に,児童生徒一人一人を伸ばす学習指導と評価はどうあればよいかという今日的課題について,理論研究並びに実践研究をするものである。
以下にその研究推進の概要を紹介する。2. 研究の構想
本研究の構想の概略は,第1図のとおりである。
新しい教育課程が小学校から中学校,高等学校へと漸次,実施に移され 本格的な実践の段階に入り各学校においては,教育課程改善の趣旨を具現するため,授業の充実に努力されているところである。
特に,教育を着実に有効なものにしようとする考えのもとに,評価を教育活動の一環としてとらえた研究が広く取り上げられている現状である。
このような動向の中で,「指導の成果を絶えず評価し,指導の改善に努めること」が,授業改善の重要な課題であることを認識し,本研究の動機とした。第1年次の研究は,各学校における「指導と評価」に関して,アンケート方式による実態調査を実施し,併せて,特に評価に関する理論研究を進める。続く第2年次では,アンケートの分析結果から考察された課題を取り上げ,その解決策を設定し,授業研究を通して,その有効性を検証する。
最終年次においては,第2年次研究と同様な視点から研究の進展を図り,県下の各学校段階における「指導と評価」に関する課題解決のより有効な方策を追究しようとするものである。