福島県教育センター所報ふくしま No.64(S58/1983.12) -028/042page

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4.授業過程の評価
 授業過程の評価というと,狭義には.一単位時間,つまり一時限の授業時間中の評価をいい.広義には一単元あるいは教材といった数時間ないし十数時間程度のまとまりをもった授業の過程を対象にし更にその前後の準備や反省なども含めている。
 本調査の場合,広義に解釈し.標準的な授業過程における評価の流れを目標分折−診断的評価−授業計画の決定−授業−形成的評価−再指導−総括的評価のようにおさえて考えたい。
 ただし,調査においては,診断的評価,形成的評価,総括的評価などの用語の使用をさけ,具休的実践の場面で問うことにする。

(4)調査項目
 調査項目は次のとおりである。

1 指導計画への評価の位置づけ
2 授業前の評価
3 授業前の評価の方法・資料
4 授業前の評価後の補充
5 授業前の評価を行っていない理由
6 授業中の評価
7 授業中の評価の計画性
8 授業中の評価の方法
9 授業中の治療指導
10 授業中の自己評価
11 授業中の自己評価の方法
12 授業後の評価
13 授業後の評価の方法
14 授業後の再指導
15 授業後の再指導の方法
16 単元・題材の終了時のペーパーテスト
17 情意面(関心,態度など)の評価
18 情意面の評価の計画性
19 情意面の評価の方法
20 学期末,学年末の評価の活用
21 「観点別学習状況の欄」の達成目標の設定
22 「観点別学習状況の欄」の達成基準の設定
23 「観点別学習状況の欄」の記入
24 評定のしかた
25 習熟度別学習の実施状況
26 習熟度別学習集団の編成
27 指導と評価についての悩みや意見(自由記述)

(5)調査の実施

  1. 調査の対象 当教育センター主催講座研修者(小・中・高等学校教員)を対象とする。
  2. 調査期間  昭和58年7月25日〜昭和58年10月28日
 なお,調査対象は,調査期間中,960名を数えるが,学校種別,年代,担当教科または研究教科について,特に小学校にあっては,低・中・高学年を考慮しての抽出を考えたい。

(6)集計と分析
 調査結果については,一般的な傾向,学校種別の特色,小学校の低・中・高学年の傾向,教科の傾向はどうかの視点から分析を進めたい。従って,調査結果の集計についても,学校種別集計,学年集団別集計(小学校低・中・高学年),担当教科別集計などの分類集計が必要となろう。更に,「評価用貝」などの項目については,教科と用具の相関を見るような集計を試みたい。
 集計についての実務は,プロジェクト委員が分担して受け持ち,分析・考察についても委員が分担し,第1次原稿執筆までの作業を進める。第1次原稿脱稿後,プロジェクト委員会の全体討議を経て,プロジェクトチームの最終考察とし,研究紀要を刊行する予定である。

5.おわりに

 以上 本年度を初年度とし,3か年計画で進められる「学習指導と評価に関する研究」の研究内容を含め,本年度の研究概要の一端を紹介した。
 近年,学習指導要領や指導要録の改訂に伴って,新しい教育評価観が披れきされ 各学校においても研究実践されているところであろう。そこで,県下小・中・高等学校教員の評価活動の現状や,新しい評価方法についての認識などを調査して.当教育センターの調査・研究に資するとともに,調査から解析された諸問題については,有効な解決策を見い出し,広く県下の先生方の参考に供したい。
 今後の研究の進展を図るため,本研究に関する教育現場の諸先生方の御意見や実践研究資料をお寄せいただければ幸いである。

(文責・菅原文也)


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