福島県教育センター所報ふくしま No.64(S58/1983.12) -0/042page
研究実践校紹介
進んで体力をのばそうとする子どもの育成
相馬市立中村第二小学校
はじめに
現在,子どもたちの体力が低下しているといわれ,その対策が教育界の重要な課題として取り上げられている。
そのことは,本校児童においても見られ,筋力の弱い子,柔軟性の乏しい子,はげしい運動をきらう子,がんばりのきかない子など,体力の低下を裏付けるような事例が多く見られる。
このような現状をふまえた場合,健康で明るくたくましい人間形成をめざして早急に対応をはからなければならない時期と思われる。具体的には,学習指導要領の体育科の基本方針「健康の増進や体力の向上をはかり,強健な心身を養い,また,生涯を通じて運動を実践する態度や能力を養うこと」,体育科の目標「運動の楽しさ・喜びを十分味わわせ,日常生活では勿論,生涯を通じて子どもたちが自ら進んで積極的に運動を実践できるようにする」ことを目指して行われなければならない。
そこで,本校でも,児童の現有体力の把握につとめ,そのうえにたって,それぞれの能力に応じて,自ら進んで体力の向上にいそしむ児童を育てたいと考えた。その際,学校給食・保健安全・地域社会との連携などと十分関連をもたせながら研究の推進をはかっていきたい。
1.体力つくり推進の方針
(1)体力つくりのための指導体制の確立(2)学校教育活動全体の中での運動時間の確保
- 体力つくりの必要性を全職員が理解し,それぞれの役割を分担して,子どもを指導し体力つくりを推進するための体制を確立させる。
- 研究組織,指導組織を明確にして,連携と協力のもとに推進する。
(3)体力つくりをねらった施設・用具の整備
- 計画的・継続的な運動をしていくための運動時間を用意する。
- 「業間体育」・「仲間の時間」の工夫を施し子どもたちが楽しく主体的な活動を促すようにする。
- 運動の生活化をはかるため,体育的行事の効果的運営をはかる。
(4)保健・安全・給食と体力つくりの一体化
- 運動の場と機会をできるだけ多く与えるために,施設・用具を充実していく。
- 効果的な活用のしかたを工夫する。
(5)地域・家庭スポーツ活動の強化
- 身体運動と保健・安全・給食との関連をはかり体力つくりを推進する。
- 学級指導における,保健・安全・給食指導と体力つくりの連携をはかる。
(6)諸調査・記録の活用
- 体力の充足と保健安全面の生活化をはかるために,家庭の理解と協力を求める。
- PTA活動,部落子ども会活動,スポーツ少年団活動,長期休業中の体力つくりなど生活全体の中で体力つくりをすすめる。
- 運動能力テスト,五種カード,スポーツテストなどを活用し,体力つくりに意欲的に取り組ませる。
2.研究実践の概要
(1)教科体育
- 体育科年間指導計画の自校化と実践による修正