福島県教育センター所報ふくしま No.64(S58/1983.12) -033/042page

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エ、歯みがき指導
 歯科衛生師による,歯みがき指導を定期的に行い,校内では給食後に時間をとり一斉指導と歯みがきカレンダーによって指導している。また,虫歯の完全治療をすすめ,期間を定めて治療した児童には賞を与え,学級全体が治療を終了したとき表彰をしながら徹底につとめている。
オ、おやつの指導
  • 小づかい調べをし,無駄遣いをなくす指導をした。
  • 小づかいで何を買うか調べ,体位・体力向上に役立つおやつを指導した。
  • おやつの種類と栄養源について理解させ牛乳の飲用についてすすめる。
  • 清涼飲料水と骨の成長の関係について指導をした。
  • PTA例会を通し,おやつを各家庭で準備するよう話し合った。

3.研究の反省と今後の課題

(1)研究のまとめとして明確に理論づけをすることには,まだ解決しなければならない多くの問題をかかえているが,一つの方法として実践してきた成果として,教師の姿勢や児童の活動のようすにいくつかの変容が見られるようになった喜びを感じている。

  1. 教科体育において,課題にむかって挑戦する姿がみられるようになった。
  2. 朝の運動,業問体育などにおいて,友だち同志肋け合い協力する姿が見られ,生き生きとした生活態度がみられるようになってきた。
  3. 運動能力テストやスポーツテストの結果指摘された問題点は,年度ごとに改善されつつある。
  4. 保健・衛生の関心が高まってきた。
  5. 子ども一人一人にたくましさがあらわれ学習や生活面に「根気強さ」がみられるようになってきた。
  6. 施設・設備の充実とともに,いろいろ工夫され変化に富んだ遊びができるようになってきた。
  7. 家庭及び地域との協力関係が深まるとともに,運動の生活化について関心が深まってきた。

(2)今後の課題

  1. 3年間にわたって年間指導計画の検討,修正をすすめてきたが,まだ,改善の余地がある。
    ア、学校行事などの関連で実態にそぐわない配当がみられる。
    イ、題材の組み合わせにより,屋内と屋外にまたがるようなものもある。
  2. 授業研究の結果得たまとめや条件を,さらに深めるためには,個々の実践によるだけでなく共同研究としての方法を考え設定する必要がある。
  3. 教科体育において,個々の課題のもたせ方については,特に研究が必要である。
  4. 業間体育については,マンネリ化しやすいだけに,内容や方法について,能力差に応じられるよう楽しくするための工夫が必要である。
  5. 運動能力テスト,スポーツテストをもとに劣つている面については,業間運動などを中心に児童個々にも,全体的にも取り組ませてはいるが,継続的な指導が必要である。
  6. 歯みがき,手洗いなどの基本的生活習慣については,家庭との協力により継続的指導を加えるとともに,効果的なすすめ方の工夫をする必要がある。
  7. 長期休業中など家庭・地域社会においての体力つくりの生活化について,今後とも努力が必要である。

 おわりに

 教育活動全体の中で取り組まれてきた「体力つくり」について,実践内容や指導の実際の概要を記述するにとどまってしまったが,各領域のねらい研究テーマとの関連などもっと整理して報告すべきであったことを反省するとともに,現在,自主研究として継続されていることがより一般化されるようにすすめたいと思っている。


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