福島県教育センター所報ふくしま No.65(S59/1984.2) -009/042page
あること。
ウ 学級の児童生徒の能力で解決できる見通しのもてる問題であること。
エ 学級の児童生徒がその問題を解決する必要に迫られていること。
オ 教育的見地から,その解決の方法や結論を児童生徒にまかせることのできる問題であること。
次に議題の集め方であるが一般的には下図にあげたような場や機会から発生したものをとりあげることになろう。
小学校低学年では,児童が議題案を提出することはむずかしいので,教師側から望ましいと思われ議題案を提出することになるが,必らず二つ以上の議題案を用意し,児童に選択させ,決定させるという過程を経ることが大切である。小学校4年以上の児童生徒にあってはできるだけ彼ら自身の手で議題案を集めさせるようにし,計画委員会で望ましい議題を選択することになるが,取り上げられなかった議題についても,その理由や今後の対応などを議案提出者に知らせよく納得させることが,次回の議案提出への意欲を失わせないためにも大切といえる。(2)「集団の規律」の確立
集団においては,成員は自分勝手な行動を取ることなく,目標達成のために努力していくことが必要であるが,この協力のためのルールが「集団の規律」と呼ばれるものである。(文教大字 留田先生)
本来この「集団の規律」は児童生徒自らの手によって作り上げていかなければならないものであるが,ややもすると教師の意図する方向へと性急に要求してしまうことが多い。そのため,児童生徒は「集団の規律」の意義や必要性を自覚するに到らないでしまう。「先生に命じられたから守らなければならない」という意識のもとでの規律では,規律に対する批判や検討の機会を失わせるばかりでなく,中学生などでは,それを守らないことで自己顕示をする者が出ないでもない。
例えば,「掃除当番はサボらない」ということを話し合い活動を通して決定しようとするならば,このようなことはなぜ必要か,他の用事のために掃除のできない人はどうするか,身体の弱い人や不自由な人はどうするかなどを十分検討し,みんなが守れるようなものへとまとめていくことが大切である。
人は自分が所属集団において認められ尊重されているという自覚をもっことによって,集団の規律を守ろうとする意欲もわいてくるものであるが,このような話し合いを重ねることが成員一人一人の条件を考えることになり,成員一人一人が自分は集団からあたたかく見守られているという自覚を深めることにもなるのである。
話し合いの結果決められたことが守れない,決まつたことを忠実に守ったら損をしたとの経験は,話し合い活動に対する不信感を植え付けることにもなるが,一つ一つの約束をみんなが守れるものへと討義を重ねていくことによって,集団の規律もー層強固なものになり,話し合い活動も活性化してくるものと思われる。
なお,集団の規律が守れない場合,規律設定の不備に目を向けることなく罰の強化や教師の権威を背景にした圧力などによって解決を図ろうとすることは,学級会活動そのものの否定につながることにもなるので注意しなければならない。3.係活動の活性化
係活動は,学級の児童生徒全員がいくつかの係のグループに分かれて学級内の仕事を分担し処理していく活動である。したがって,係の編成に当たってはまずどのような仕事があるかを見極め,それに応じた係を決定し,人員を配置し,それぞれの係はど