福島県教育センター所報ふくしま No.65(S59/1984.2) -010/042page

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のように仕事を進めていけばよいかを明らかにしておくことが必要である。
 しかし,学級における係活動を見ると,仕事の内容も不明確なまま形式的に人員を配分している傾向が強く中学校では全校同一係で同一組織ということがしばしばみられる。児童会(生徒会)との連携を密にすることは必要であるが,各学級の目標が異なるように,各学級の係や組織にちがいのでるのは当然といえる。
 係活動の活性化を図るためには,どのような係を設置するかが重要なポイントであるが,次のようなことにも留意することが大切である。

 ア 学級内の仕事であること。
 イ 教師がなすべき学習指導や学級管理上の仕事でないこと。
 ウ 仕事を分担した児童生徒の負担過重にならないこと。
 エ 仕事の処理内容が児童生徒にまかせられるものであること。
 オ ー週間のうち少なくとも二.三回の具体性をもつ活動であること。
 力 仕事の進め方について,児童生徒が創意工夫を生かす余地があること。

 係は,年間を固定して運営されるものではなく,学級全員の総意によって常に新設,改廃,統合,整理されながら交代して運営されていくべきものである。係活動の流れは,小学校低学年以外ではおおむね次のようになるだろう。

4.集会活動の活性化

 集会活動は,学級における話し合いに基づいて計画され実施される活動である。学級成員みんなの楽しみや喜び,あるいは励ましなどの集会をできるかぎり児童生徒自らの手で自発的・自治的に計画し,学級全員の参加のもとにみんなで進める活動である。
 集会活動への児童生徒の興味関心は他の活動にくらべて強いものがある。したがって,児童生徒は単に実施することのみに気をうばわれ,「何のためにこの集会を行うのか」という目的を忘れた集会になりやすい。特に中学校などでは,球技大会や合唱コンクールの練習などを無計画に取り入れてしまうことが多い。
 個人が集団の中に埋没することなく,生き生きとした集会活動にするためには,次のようなことに留意することが必要である。

(1)児童生徒の願いや具体的な希望をとり人れた目標を設定し,目標達成のために成員全員の意志,統一を図っておく。
(2)結果ではなく,計画・実施の途中の過程をあたたかく見守り,児童生徒の自発的・自治的活動を助長する。
(3)集会活動に適応できない児童生徒については,その原因を多面的に追求し,その原因に即して解決を図るようにする。
(4)評価を重視し,良かった点,問題点,改善点などを明らかにし,次回の計画に生かすようにする。

5.おわりに

 学級会活動充実のためのいくつかの留意事項を,話し合い活動,係活動,集会活動について述べてきた。この他にも多くの対策が考えられよう,いずれにしても,教師一人一人が特別活動の教育的意義にっいて深く理解し,その内容や特質に応じた指導をつみ重ねることによって,人間性豊かな児童生徒の育成に寄与できるものと思われる。さらに一層の創意工夫が期待されるところである。


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