福島県教育センター所報ふくしま No.65(S59/1984.2) -015/042page

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研究報告

機能的を校務運営をはかるための委員会のあり方

福島市立福島第三中学校教頭 所属  渡 邊 久 勝

1.研究の趣旨

 校務分掌の組織・運営については,教育目標の具現化を基盤として,その機能化をはかるために学校経営の反省・評価とあいまって,部分的に修正し,改善に努めてきている。

 本校は,学級数22(普通20,特殊2)の大規模校である。従来から全教職員の経営参加意識の高揚をはかり,教職員それぞれが能力を発拝し,責任分担の遂行ができるよう努力してきたところである。しかし,構成員が多いだけに,一人一人の責任分担を明確にするためには,分掌事務の細分化が必要である。ところが,
○ 校務分掌組織の運営面で連絡調整機能をどう働かせるか。
○ 組織としての意思決定,情報・意見や指示の伝達などの組織をどうするか,
などの運営上の問題が生じるので,これらを解決すれば,校務運営組織が機能化するのではないか,と考えた。

 そこで,これらの問題を解決するために,(1)校務分掌組織と機能の再検討
(2)職務内容の明確化と責任体制の確立
(3)校務運営の円滑化をはかる組織の工夫
 について研究をすすめるが,特に,校務運営全体とのかかわりから,各種委員会のあり方や機能について究明しようとするものである。

2.見とおし

 常設・特設委員会などの役割と機能を明らかにし,校務運営処理表を活用すれば校務運営がさらに機能化するだろう。

3.研究の方法と対象

(1)研究の方法と順序

  1.  校務分掌組織運営に関する文献研究
  2.  本校校務分掌組織に関する意識調査
  3.  協力校の各種委員会に関する調査
  4.  調査結果に基づく校務運営処理表の作成
  5.  校務運営処理表による実践と結果の考察
(2)研究の対象
  本校教職員  35名
  協 力 校  地区内中学校大規校5校

(1)意識調査による集団的傾向と考察
 校務分掌組織・運営上の問題点を明確にし,校務運営の機能化の方向をさぐるために,次のような調査を行い考察を試みた。
  1.  調査結果と考察
    ア 校務分掌の仕事を進める上での困難点はどんなことですか。
    調査アの結果

<考 察>
 事務的な分掌は,各係で内容を理解し,企画,実践,評価が行われているが,指導関係組織の係分担になると「どこまでやったらよいか」,「自分の責任でやれる範囲」がはっきりしないことが多い。教育活動では,分担をすっきりさせることのできない重なりが多い面があるので,やむを得ないことだとも思われる。
 この項目の内容をみると,○生徒指導 ○学校行事 ○突発的な仕事 ○校務処理手順の不明確などに関するものである。
 また,「係内だけで判断できない」,「時間が足りない」についてのおもな内容は,○他係との連絡・調整の時間がとれない。(頻度11)○係会を開く時間がとれない。(同7)○他係とのかかわりで一方的に意思決定できない。(同5)などである。これらのことは,校務運営上,会議の目的・機能を明確にし,連絡・調整の機能をう


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