福島県教育センター所報ふくしま No.65(S59/1984.2) -018/042page

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校務運営の機能化をはかる実践例

(4)実践結果の考察
 この実践例と他の数例だけで結論を導きだすことは,危険なことであるが,実践結果の考察を試みたい。

  1.  校務運営処理表の活用 年度途中でもあり,試行としての実践なので,校務運営処理表(A)を教頭が校務処理手順の大筋として作成し,その細案の校務運営処理表(B)をプロジェクトチームで検討作成し実践にうつした。この(B)表を全職員に配布したので,実施後の感想を求めた。
    •  校務処理手順がはっきりしてよい。
    •  学校での意思決定の過程が理解できた。
    •  仕事の指示・報告ルートがはっきりした。
    •  各係での校務の範囲がはっきりした。
    •  校務逐行状況のチェックが容易になった。
     など,これらは新しい事態や校務分掌組織の単一係・部で処理できない悩みを解決する手段として有効であったように思われる。
     
  2.  分掌問の連携
     特に指導組織の実質的な協力体制をつくるためには,分掌間や各種委員会間の連携をはかることがたいせつであろう。その連携をはかる役割をもつのが,プロジェクトチームと考えたい。各種委員会には,それぞれの役割や機能があり,その範囲内の活動にとどまる傾向がある。したがって,連絡・調整の場を設定する必要がある。このことは,地区内中学校の教頭を対象にした調査にも,その傾向がみられた。
     
  3.  課題に対応する組織
     校務分掌組織で解決をはかることのできない課題については,柔軟に対応のできる組織が必要であろう。そこで,次の点に留意して弾力的に組織していきたい。
     ○ 現校務分掌で課題解決が不可欠な場合に編成する。
     ○ 解決すべき課題を単純,明快にし,組織の性格をはっきりさせる。
     ○ 課題の内容や質によって,職員の経験・年齢・能力・性別などを勘案して編成する。
     なお,プロジェクトチームは,課題に対して柔軟な対応ができるよう自由討議とし,構成員の創意やアイデアを尊重し,形式にながれないよう運営することがたいせつだと思う。
     
  4.  実践結果の反省
     校務運営の機能化をはかる一方法として,常設委員会やプロジュクトチームの役割や機能を考え,その位署づけや関連を明確にした校務運営処理表を作成し実践してきた。数少ない実践例であるが,実際にプロジェクトチームにかかわったチーム員の意見をまとめると,校務運営の機能化がはかられたとする感触が得られた。その意見の一部をあげると
     ア 校務運営処理表について
    •  関連する係間の連絡・調整の場が設定され,円滑に原案作成ができた。
    •  前年度の惰性で立案する傾向にあったが,他係との意見交換などもありチームメンバーとして責任を感じた。
    •  校務運営処理表の作成手順などをもっと研究すべきだと思った。
     イ 実践について
    •  チームリーダーとして校務運営処理表にそって実施したので不安はなかった。
    •  チームの主体的判断と活動が促進した。
    •  きめ細かな実践ができ,全校的な盛りあがりがみられた。
     ウ 反省評価について
    •  各委員会の役割とその関連が明確になった。
    •  課題に対するコミュニケーションが円滑に行われ,とまどいがなかった。
    など,それぞれに経営参加の意欲やモラー


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