福島県教育センター所報ふくしま No.65(S59/1984.2) -019/042page
ルの向上,コミュニケーションのルートなどに変容がみられたように思う。
実施過程や実施後の変容については,調査などによってみることはできなかったが,教職員の活動状況や感想,反省などを参考に分析してみた。
- 多くの情報や意見が集中的に出され,意思決定がスムーズに行われた。
- 参加者の意志の錬通がはかられ理解も深まり,全体的な実行力へ好影響をあたえた。
- モラールの高まりがみられ,参加者の視野の広がりを感じた。
- チーム編成による自己関与度が高まり,従来の部や係の活動を活発にする面があった。
(5)研究のまとめ
校務分掌は,学校の根幹をなす組織ともいわれ,毎年安易に改正できるものではない。しかし,生徒の実態をふまえ,教育目標を具現化していく中で,年度によって指導の重点が変わっていく。それに対応するために,年度当初の人的配置に意を用いることはいうまでもないが,プロジェクトチームの活用については,さらに考えていきたいと思う。
校務運営の機能化をはかるためには,常設・特設委員会の性格や機能を明確にし,分掌問の連携の欠陥部分をうめるには,プロジェクトチームを組織し,校務運営処理表に位置づけていけば,校務運営は,さらに円滑化がはかられるものと思う。大規模校では,校務分掌の細分化などによって意志の疎通を欠くことがあるが,校務運営処理表やプロジェクトチームの編成・活用をすることは,務運営の機能化をはかる上での有効な手段であったといえよう。
- チームリーダーのリーダーシップが発揮され,チームのかなめとしての意識が高まれば,校務分掌が動的なものになっていくだろう。
- チームメンバーの経営参加の意識化をはかることができたように思う。
- 常設委員会やプロジェクトチームとの関連が明確になり,それぞれの性格,役割の上での関連がすっきりし,校務運営の円滑化がはかられたと思う。
- 管理職者として校務遂行状況のチェックができた。プロジェクト推進者としてのリーダーのチェック機能としても処理表が活用された。
5.今後の問題点
(1)校務運営処理表の作成
(2)プロジェクトチームの組織
- 校務運営処理表の作成手順を検討する。
- チェック機能としての活用を検討する。
(3)プロジェクトチームの活動
- プロジェクトチームの位置づけと性格づけを
- 弾力的な人選および人数を検討する。
- チームリーダーを育成する。
- 活動時間の確保に努める。
- 活動内容の方向づけの工夫をする。
<参考文献>
- 学校経営に関する研究(昭和54・56年度) 福島県教育センター
- 学校の組織と運営 牧昌見 教育開発研究所
- 現代学校教育全集 校務分掌 吉本 二郎,永岡 順,編集 ぎょうせい
- 学校運営研究 No.252 明治図書
- 教職研修 教育開発研究所
- 学校教育の手引き 新版 福島県教育庁義務教育課編
- 全国公立学校教頭会研究大会集録(昭和55・56年度) 全国公立学校数頑会
- 小中学校長・教頭のチェックポイント 吉本 二郎,熱海 則夫 第一法規