福島県教育センター所報ふくしま No.67(S59/1984.8) -018/038page

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その中から特に「進んで働く児童の育成」を努力目標としてあげた。
 この具体的実践の方向付けとして,学年目標を設定し,さらに学年目標の達成のために勤労体験的学習を全教育課程及びあらゆる教育活動の場に位置付け,学習の重点を設定して研究を進めようとした。
 研究を進めるうえで,教科・道徳においては,勤労の尊さ,意義,方法など,児童の勤労に対する意欲や心情を育て,特別活動・創意を生かした教育活動・日常生活における活動においては,学びとった事柄を具体的に実践させる体験的実践の場とした。

(5)本校における勤労体験的学習の構想
 勤労体験的学習を全教育課程及びあらゆる教育活動の場に位置付け,学習の重点を設定し研究実践にあたることを基本とした。
1. 研究内容

・教科において
 低学年は理科,高学年は図工を重点教科とし,勤労にかかわる教材内容を検討して,年間指導計画を作成する。また,それに基づいた授業実践を行う。
 理科では,飼育・栽培,実験・観察などの実践活動を通して,自然を探求する能力や自主的な態度を育てるとともに,協力しながら育てたり,作ったりすることを通し,喜びを体得させる。
 図工科では,造形活動を通して,つくり出す喜びや根気強く作業することによって得られる満足感や成功感を味わわせる。

・道徳において
 特に,勤労・奉仕の項目を重点にした年間指導計画を作成し,授業を通して勤労の意欲化を図り,日常生活の中で実践化が図れるようにする。

・特別活動において
 学級指導・学級会活動では,勤労にかかわる題材を検討して年間指導討画を作成し,勤労に対する実践化の意欲を持たせる。委員会活動・学校行事(勤労生産的行事など)では,自主的・自発的に取り組み,解決していく態度を育て,正しい勤労観や奉仕の精神を体得させる。

・創意を生かした教育活動において
 「おけうりっ子の時間」を特設し,農園や花だんの手入れ,愛校清掃などの勤労を,直接体験させることにより,勤労の尊さや喜びを体感させるとともに最後までやりぬく強い意志と実践力を養う。

2. 研究方法
 教育目標の具現化をはかるため,教育目標と研究内容との関連を図るとともに,重点項目,学年別到達目標を定め研究に当たる。
※重点項目,研究内容については,紙面の関係上掲載を省略するので,2・(4)研究の全体構想,4研究と実践項目から読みとっていただきたい。ここでは,学年別到達目標のみ掲載するにとどめたい。

 学年別到達目標
学年 到  達  目  標
1 自分の仕事をいっしょうけんめいやる。
2 自分の仕事を最後までやりぬく。
3 友だちと力を合わせて進んで仕事をする。
4 自分から考え,進んで仕事にとり組む。
5 勤労の尊さを知り,進んで仕事にとり組み最後までやり通す。
6 勤労の意義を知り,自分の考えをとり入れ,仕事に積極的に取り組むと共に勤労観の素地を培う。

3. 研究組織
研究組織

4 研究と実践

◎基本方針
 理科・図工科においては,勤労体験的学習との関連をふまえ,勤労についての理解や心情・技能を養い,道徳においては,勤労についての正しい判断力,勤労意欲と態度の育成に当たる。それらの実践の場として,特別活動・創意を生かした教育活動・日常生活をあげ,自主的に参加する態度や根気強く働く態度を育てるとともに実践力を養う。
1. 理科・図工科における勤労体験的学習
 理科では,実験・観察,飼育・栽培,製作などの直接経験を重視し,自然を探究する能力や態度の育成に努めるとともに,協力しながら育てたり物を作


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