福島県教育センター所報ふくしま No.67(S59/1984.8) -019/038page

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る喜びを体得させ,創意工夫を生かし自主的に取り組む意欲を養うことを目標とした。さらに,勤労体験的学習と関連の深い単元を洗い出し,他教科・道徳・特別活動・創意を生かした教育活動との関連を図りながら授業の実践を行ってきた。
1年 2年 3年 4年 5年 6年
・わたしたちとくさばな
・あきのくさき
・いろいろなどうぶつ
・水にとけるもの
・アプラナのさくころ
・ヘチマの花と実
・いものそだち方 ・たねのつくりと発芽
・植物のつくりと成長
・花から実へ
・気温と太陽の高さの変化
 この結果,栽培活動にあっては,協力して草花の世話をしたり成長の様子を進んで記録にとったりする態度が育ってきたように思われる。また創意を生かした教育活動における,農園活動・花園活動と関連させた,意図的・計画的な授業実践により,理科における効果的な勤労体験的学習が行われるようになってきた。

 図工科では,造形活動を通して自らつくり出す喜びや根気強く手づくりすることによって得られる満足感や成功感を味わわせることを目標とした。また,勤労体験的学習に関連する題材を検討し,他教科・道徳・特別活動・創意を生かした教育活動との関連を図り,授業を実践してきた。
1年 2年 3年 4年 5年 6年
・なかよしこいのぽり ・おどる人形 ・小刀でつくる
・そだてた花
・かわるカード
・四角なはこ
・生活をかく
・形のかわるはこ
・紙の小物はこ
・人の群れ
 授業においては,導入の段階に十分時間をとり,一人一人が自分なりの計画を立てて製作に当たれるようにした。その結果,友達に比べ作業が遅れがちになっても,途中で投げ出すことなく自分の計画に沿って最後まで製作に取り組もうとする態度が見られるようになってきた。

2. 道徳の授業における勤労体験的学習
 勤労体験的学習に関する道徳的価値を洗い出し,道徳の授業の中に組み入れた。また,勤労,奉仕を中心とした勤労の意欲化を図り,実践力が身につくようにした。
1年 2年 3年 4年 5年 6年
・おれたくれよん
(整理整とん)
・わたしのしごと
(勤労と奉仕)
・かかりのしごと
(自由と責任)
・しげんを大切に
(整理整とん)
・母うずら
(動物愛)
・学校を支えるのは(愛校心)
 道徳の授業で得た勤労への意欲や関連価値についての心情の高まりを,常に体験に生かすように努め,体験の中から道徳的な価値を見つけ出せるよう配慮していくことを通して,児童の正しい勤労観は養われつつあるように思われる。

3. 特別活動における勤労体験的学習
 児童会の各委員会活動と学校行事(特に勤労生産的行事)に重点をおき,実践活動の場を通して勤労の尊さや意義,奉仕の精神を体得させるようにした。 委員会活動は,それぞれの委員会が少人数で構成されていることから,一人一人の仕事の量が多くなりがちである。その反面,まとまって活動できる利点があった。しかし,これまでの活動のめあては,「忘れないで仕事をする」「さぼらない」などの消極的なものであり,全校生のために役立つ活動をするところまでは達していなかった。そこで「みんなのために……」という積極的なめあてを立てさせ,活動に取り組ませるようにした。 学校行事は,その主なものとして,小中合同で取り組んだ山菜採り,プール清掃,また個々に行ったクリーン作戦,校内美化,いなごとりなどを実施した。 これらの実践を通して,委員会活動にあっては,当初は活動にとまどいがみられ,催促されてから仕事をしていたのに比べ,現在では,教師のわずかなヒントをもとに,自らが,学校全体に目を向け,自主的に活動に取り組むようになってきた。 学校行事にあっては,小中一貫の合同で行うものをとり入れることにより,上級生が下級生の世話をすることや,互いに協力し合う姿が目立ってきた。

4. 創意を生かした教育活動における勤労体験的学習
 研究教科・道徳,特別活動によって培われた勤労意欲を実践の場に生かすため「おけうりっ子の時間」を特設し,農園・花園活動などの勤労を直接体験させることによって心情豊かな実践力のある児童を育てようとした。
<農園活動>
4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11月 12月〜3月
栽培計画
立案
耕作
施肥
うねづくり
植えつけ
植えつけ
上よせ
除 草
除 草
追 肥
消 毒
除 草
収 穫
(カボチャ)
収 穫
(トウモロコシ)
収 穫
(さつまいも)
(枝豆)
収穫祭
農園整地
堆肥つくり
堆肥つくり
反 省
 農園・花園作業を通して,一つの作物,一輪の花


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