福島県教育センター所報ふくしま No.67(S59/1984.8) -024/038page

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(2)検証と考察
  1.  検証の観点
     仮説を実証するにあたり,次のような観点からとらえる。
    ア.生徒の学習への興味,関心あるいは学習態度の変容を把握する。
    イ.事後テストの正答率,把持率を分析し作業学習における学習の成果の高まりをみる。
    ウ.生徒のノート作りや感想などを分析し,仮説の有効性をみる。
  2.  検証の方法
    ア.事前,事後テストは同一問題とし,一定期間後の把持テストによってその有効度指数をみる。
    イ.テスト問題は,学習指導要領の地理的分野目標(5)の内容に基づき作成し,その正答率をみる。
    ウ.把持テスト問題は,事後テスト問題の内容や順序を変えてみる。
    エ.仮説の有効性については,テストの正答率だけでなく,生徒の意識調査や感想文から分析してみる。
    オ.有効度指数が70%以上を有効とし,変容があったとみる。
  3.  授業の考察
     紀伊半島は南九州や南四国と共通点が多く,みかん栽培や漁業などは生徒にとって身近なものとして関心を引く地理的事象である。ここでは,その教材に応じ学習課題として時々行う「調べ活動」−グループで図書室を利用して調べておく−を取り入れた。
    ア.調べ活動は,学習課題の調べ方を分担し,それぞれの役割の中で責任ある学習活動ができた。
    イ.生徒の主体性を重視し,生徒中心の授業の進め方であったので活発な学習の展開であった。
    ウ.作業的学習の導入により,手作業を通して学習への興味,意欲が高まった。
    エ.地図帳や資料をもとに略地図に書き込んでいく作業は地理的事象の意味を発見したり,知的好奇心を強くした。
    オ.作りながら考え,学びとる学習ができるようになった。
  4.  事前,事後,把持テストの結果(近畿地方)
    <表3> 事前テスト・事後テストの結果
    <表3> 事前テスト・事後テストの結果
         事後テスト・把持テストの結果
    事後テスト・把持テストの結果

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