福島県教育センター所報ふくしま No.68(S59/1984.10) -009/038page

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(1)特別活動との関連

  1. 児童(生徒)活動
    ●学級会活動は学級づくりと直接的にかかわってくる。話し合い活動では,学級生活に結びついた問題について話し合い,決定していくことが中心となる。話し合い活動を活発にすることにより,児童生徒が何でも話せるようになり,着実な実践となって表れてくれば学級づくりに生きて働くことになるであろう。
     また,話し合い活動を質の高いものにし,一人一人が充実感をもって実践活動に向かっていくためには,互いの心のつながりを大切にする学級づくりが基盤となるといえる。
     係活動は生き生きと実践されなければならない。一人一人が「○○さんが一生懸命したからよくできた。」と成員に認められ,同時に学級への貢献を積極的に認め合うことができるようになれば,役割意識も育ち,学級の集団意識も望ましく発達することになり,学級づくりに大きな役割を果たすであろう。
     集会活動においては,全員で集会の役割を分担して目標に向かって努力しなければ,成果は望めない。子供の自主・創造を生かし日常の学級の生活と結びつけた活動を行うという考えのもとに進めたい。各自が役割をもちそれを着実に果たすことが学級全体の日常生活を豊かにするだけでなく,児童生徒の連帯意識とつながっていくであろう。
    ●児童(生徒)会活動,クラブ活動は全校的なものであるが,その基盤となるのは学級である。日常の学級の活動が生きてくるだけでなく,そこで話し合われたことが学級に下ろされ,学級づくりへの刺激となるであろう。
  2. 学校行事は多くの内容を含んでいるが,日常での学級の指導や活動が学校行事の成果に表れてくることが多い。行事への自発的参加がきわめて重要であるが,積極的な参加意識や活動を可能にするためには,学級での事前指導・事後指導など,学級での指導とかかわりが深いので,緻密な指導が望まれる。
  3. 学級指導は速効性が要求される。端的にいえば,いま,ここで,どうしたらよいかという問題に何らかの解答を与えることが必要なのである。更に一人一人の児童生徒が,いま自分はどうしたらよいかという問題に気づかせ,解決していけるように援助することも大切であろう。また,学級指導は集団指導を通して,個に応じた指導をしていかなければならない。このように,当面する諸問題について適切に対処できる行動を身につけさせることが学級づくりと深くかかわってくるといえる。

(2)朝の会・帰りの会との関連
 朝の会・帰りの会は短時間ではあるが,学級づくりにとってきわめて重要な時間となる。まずこの時間が学級担任と児童生徒のふれ合いの場であり,ひいては個々の児童生徒の理解につながることがあげられる。次に,学級集団や さまざまな.グループ,更に児童生徒一人一人の一日の計画,実行,反省などの活動過程をみつめさせ,次への発展を図り,学級集団の一員としての自覚を高め,よりよい学級にしていこうとする意欲を持たせることができる。そのほかにもいろいろ考えられようが,教師がこの時間を大切にし,一日の指導に生きる重要な時間として活用しようとする心構えをもつようにしたい。

4.おわりに

 これまで学級づくりに果たす特別活動,朝や帰りの会の役割について述べてきたが,そのほか各教科・道徳での指導や休み時間,給食,放課後など教育課程外の活動を含めたすべての学校生活と学級づくりの関連について学級担任は考慮していかなければならない。同時に,学級日誌,グループノート,日記,作文,話し合い活動の記録,各種の調査なども有効に活用していきたい。
 また,家庭との連携・協力や全教師がすべての学級を指導していくという協力的な意識をもって指導に当たることも大切であるが.終局的には,学級担任の指導のあり方が学級づくりに大きく作用する。具体的な場面において,笑顔で接する・冗談の言える・さげすさむことを言わない・気やすく話せる・失敗を認めるなど学級づくりにおける教師の姿勢として心がけ,子供たちが毎朝笑顔で元気に挨拶しながら教室に入ってくるような学級にしていきたいものである。


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