福島県教育センター所報ふくしま No.68(S59/1984.10) -025/038page

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  1. 相談する上での留産点
    ア、生徒との接触の場と機会を拡充し,積極的に生徒理解に努める。
    イ、学業生活上の不安や悩みをていねいに聞いてやり,認め励まし自力で解決するよう指導・援助する。
    ウ、良き相談相手になり,生徒と教師間のラボードづくりに努め,生徒が相談してよかったという喜びや安心感をもたせるようにする。
  2. 考 察
    ア、学業相談を実施することにより,生徒間にやらなければならないという意識が高まりつつある。
    イ、学級を基盤として,担任教師と生徒とのラポートづくりに努めた結果,より親近感をもつようになった。
    ウ、観察や相談により,生徒の考えていることや悩み,つまづきなどで教師が掌握していたものとの間に相違のあることを発見し,生徒理解に役立った。
    エ、生徒を観察する目が鋭くなり,生徒の行動がみえるようになってきた。
    オ 相談技術が向上しつつあり,話す立場から聞いて気づかせるようになった。

(2)学級指導における学習条件の整備
 学級集団の中で,担任が生徒の学習条件を整え,学業上の諸問題について互いに学び合う授業として学級指導の時間が重要である。
 本校の学級指導年間計画に教育目標との関連をあげ次のように述べている。「学習生活の中で問題に気づき……正面からとりくむ態度,協力して解決しようとする態度など主体的な生き方を育てる。」とある。
 学年の発達段階に応じた学級指導の重点は,次のようにおさえた。

  1. 1学年
     基本的行動様式の学習に関する指導を基盤に,望ましい学習方法・態度を形成する。
  2. 2学年
     従来の学習計画,方法を改善し調和のとれた学習ができるようにする。
  3. 3学年
     目標をもって計画的に学習にとりくみ,悩みを解決しながら意欲的に学習ができるようにする。
 さらに,学級集団で解決しなければならない組織的な問題とか,自主的な朝自習のとりくみなどは学級会活動で,日常の習慣形成のような継続指導が必要なものは,「朝(帰り)の時間で関連してとりあげるようにした。

 以下,学級指導の時間の充実にあたって,授業研究の実践の一端について述べる。

  1. 研究の視点
    ア、学級指導の指導過程について共通的なおさえ方。
    • 題材を選定するときは,到達目標である「自ら学ぶ」という生徒像を実現させるために,留意事項を工夫する。
    • 指導過程については,研究テーマとの関連をはかり実現化の方向を定め,各段階ごとに配慮する内容や活動をおさえる。
    • 指導過程の段階を,自己受容〜自己実現をはかるために「意識化」−「共通化」−「意欲化」の3段階で展開する。
    イ、指導過程作成上の留意点
    • 学級の実態に合った指導内容とする。
    • 共感を呼び起こす内容を吟味する。
    • 適切な資料の提示と活用をはかる。
    • 留意点欄に ※印をつけテーマとの関連を明確にする。

     以上の点に留意し,次のような項目で指導過程を作成する。
    段階 学習活動・内容 時間 教師の働きかけ 指導上の留意点 資料

  2. 考 察
     授業研究会は,全職員参加のもとに,該当学年教師によって授業観察の係分担を行う。観点は,教師の言動・生徒の活動・全体の流れについて記録し,反省会の資料とする。
    • 本時のねらいに関連した事項と他領域,つまり短学活・道徳と十分連携し,継続した指


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