福島県教育センター所報ふくしま No.70(S60/1985.2) -007/042page

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れきが球に近くなるにつれてその値は大きくなり1.0に近づいていく。

 実際,れきは剛11による運搬の距離が長くなるほどその磨耗が進んで球形度は大きくなる。今回の結果でもタッパを振る回数が多いほど背やでっぱりがだんだんとれ,その値は0.86〜0.97の間を示している。

 図3よりDは1gのタッパの中に水500tと5個のプロックを入れて,200回振った場合で値は0.97と高く,ほぼ球に近い。同じ条件で,更にその中に砂れきを入れた場合も0,93と球形度は高い。

 Aの場合は0.86と0.89の値で,4種のブロックの中では一番球形度が低い。

 球形度の測定においても,タッパの中に砂れきを入れないで水のみで振った場合の方が,Aを除いて値はそれぞれ少しではあるが高くなっている。以上の実験からも流水の俸大なカを知ることができる。

図3

※球形度図3の作成方法

1.リコピー感光紙を用意する。
2.写真用接写装置を用意する(電球1個150W)。

 リコピー用紙を接写装置の上にのせる。磨耗したブロック(実際の河川れき)をその上におく。ブロックの上方から平行光線を約3〜4分間当てる。直射日光に当てないようにリコピー用紙を複写する。ブロックの色が紫色で印刷されるので,これをゼロックスで複写しなおす。

※ 能率的に,野外観察を進めるにあたっては,図4のようなモデル図に見合うものをろつけて,球形度を決めていく方法もある。

図4

6.おわりに

 セッコウブロックを使ったモデル実験方法ではあるが,背ばったブロツクからだんだん丸いブロックに変わっていく過程は,自然での現象と大きな差はないと考えられる。これは流水の強い浸食カについて,児童生徒に体験をとおして理解させる上で適当な方法ではないかと思う。

 しかし今回の実験では,タッパの中の水量やセッコウブロックの数,流水中に浮遊している土砂にみたて混入した砂れきの量や粒の調節などに工夫が必要であることに気がついた。また,セッコウブロックを重さによって色分けしたり,ブロックの重さと磨耗の関係などを調べたりすることも興味・関心を高める方法である。今後機会があったら調べてみたいと思っている。

<参考文献>

地学の調べ方コロナ社地学のガイドシリーズ@
福島市周辺の野外学習資料福島県教育センター
自然をしらべる地学シリーズ
2.水と地形
3.土と岩石
地学団体研究会編


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