福島県教育センター所報ふくしま No.70(S60/1985.2) -021/042page

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 (ア)道徳・学級指導の授業の改善,視点に基づく授簑研究の推進。
 (イ)多領域との関連をもとにした指導計画の検討・改善。
 (ウ)基本的行動様式の指導の充実
 (エ)道徳的実践の指導。
 (オ)基盤となる学級づくりの推進・

3.研究実践の概要および成果と課題

(1)地区(4校教員またはPTA等)の取り組み

 1.「生活の約束」の設定
 「次代の地域社会を担う,望ましい児童生徒の育成」を目標とし,その具現化を基本的行動様式の指導強化を図り,四校が連携し一貫性のある指導を展開するため「重点指導5(あいさつ,ことばづかい,時間を守る,規律正しい生活,整理整とん)を設定し,地域社会の理解と協力を得ながら,手始めに最初の共同研究の実践内容として取り組んだ。

 重点指導項目の設定にあたっては,研究推進委員会を四校共同研究実施の中核にすえ,児童生徒の学校・家庭生活における基本的行動様式に関する実態調査をもとに,発達課題との関連図りながら「小学校下学年」対象,「小学校上学年・中学生」対象に分け,それぞれの到達目標と児童生徒一人一人が努力することがらを決め,学校における組織的指導と保護者の協力による定着化と習慣化を目指した。

 実践による成果は,多くの保護者に生徒指導上の関心が高まったことがある。そのため児童生徒の学校・家庭における日常生活の行動や態度に変容が見えはじめ,今後の一貫性のある継続指導と個別指導に期待がよせられている。問題点としては,発達課題に即した到達目標についての検討が必要である。

2.小・中学校教員の相互授業参観

 各校教員による他校の児童生徒の相互理解は,地区連携による効果的な生徒指導を展開うるうえでの基調をなすものであり,特に,小・中学校間の相互理解は重要である。そのため,各校をそれぞれ訪問し,児童生徒の理解に努めた。

 研究協議会は活発で,生徒の問題行動が多発した中学校の生徒指導に関して論議が集中した。その中で,中学校の指導重要な時期は,入学直後であり,相互理解にたった適切な指導によって健全な中学生に導くことの大切さが強く感じられた。

 また,児童生徒のの発達段階における理解への努力と指導の重要性が再確認されるなど多く得るものがあった。

3.四校PTA連絡会とその活動

ア 設置の趣旨
 青少年教育に対する今日的課題の一つとして,学校・家庭・社会が一体となった児童生徒の健全育成の重要性が叫ばれているが,生徒指導研究推進地区として指定を受けたのを機に,地域ぐるみの生徒指導を展開していこうと考え,その実践活動の中心をPTAが連携し,共通実践を通して児童生徒の健全な成長発達を援助していくことを考え,この会を設置した。

イ 組織

 メンバーは,四校のPTA役員(会長,副会長,庶務,会計),総務委員長,教養委員長,補導委員長,各校の校長,教頭,教務主任,生徒指導主事および研修主任である。

 活動組織と活動内容は次の通りである。補導部会は,小・中連携による巡回補導,学区内の環境整備,交通指導にあたった。研修部会は,「小・中学校地区懇談会」の推進,「家庭の日」の活動促進などにあたり,「小・中合同地区懇談会は,本会の重点活動として実施された。
総務部会は,関係機関との連絡・調整,調査広報活動,各部活動の連絡調整にあたった。

ウ 小・中合同地区懇談会の開催

 本会の重点事業であるため,多くの準備会を開催し,目的達成のため活発な討議によって推進案が作成された。


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