福島県教育センター所報ふくしま No.70(S60/1985.2) -022/042page

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 協議主題は,「児責生徒の健全育成をはかるため,地域活動をどのように進めたらよいか」とし,さらに話し合いの参考として,「家庭における親子のふれ合いをどうしたらよいか」,「望ましい地域環境をどのようにして設定するか」,「家庭の日における家庭での取り組みをどのようにしたらよいか」,「家庭と学校,地域と学校との連携をどのようにすればよいか」を設定した。

 実施地区は,重点地区を五区選んで実施した。どの会場にも小・中学生の保護者が多数出席した。

 話し合いの内容としては,親子のふれ合いで,親が日常生活の中でそのきっかけをつくること,夕食や手伝いの中で心のふれ合いに努めること,などが述べられた。

 環境の浄化では,町内で健全育成のため有害な本の自動販売機を撤去させた例など述べられ,出席者の関心が高められた。

 「家庭の日」については,各家庭の生活条件の違いもあり,できることを,できるときに実施しようと言う呼びかけがあり,健全育成への関心の高まりが強く感じられた。

Cその他の地域活動

 ほとんどの地区でさまざまな地域活動を実施したが,次のようなものがある。

 親子ソフトボール大会の実施地区,登山やキャンプの実施地区,親子いも煮会の実施地区,親子での地域奉仕など,心のふれ合いを通した数多くの健全育成活動が行われた。

5.官民合同懇談会

 非行防止のため開催され,学校,PTA,町商工会,警察署の代表者や関係者によって構成されている。

 各方面から非行の事例が出され,防止対策を協議した。それに基づき学校では,各商店に対して文書や訪問によって非行防止の協力依頼をした。

 この会の活動は,町内環境浄化にも効果があった。

 以上は,地区連携で取り組んだ活動の概要であるが,その成果としては,町民の多くに生徒指導への関心が高まったことである。このことは中学生による問題行動の減少にもみられる。

 今後の課題としては学校やPTAを中心とする活動だけでなく,町民全体として,組織的に継続して実践活動を推進することである。

(2)田島中学校の取り組み

 田島中学校では実践活動を4つの研究部(集団活動,日常生活指導,学業指導,生徒理解・教育相談)によって推進した。

1.集団活動研究部

アおもな活動

 ア(アに○)話し合い活動の充実

 話し合い活動の場として学級では,学級会活動,短学活,創意の時間,班長会などを設定し,学年会では,毎月学年委員日を決め,生徒会でも毎月各種委員会などを実施した。また,会議の進め方の技能や話し合いの態度についても指導した。

イ(イに○)リーダーの育成

 会議の進行や諸活動を遂行する技能,態度に重点を置き育成を図った。学年委員会,班長会,奉仕委員会などを毎月定期的に開催し,集団生活での問題を気づかせ向上への行動を促した。また,生徒会役員の資質を高めるため,他校の訪問学習をさせた。

 ウ(ウに○)短学活の充実

 毎日の短学活の中に全校統一して話し合いの場を設けた。また,生徒指導の立場から内容を統一し話し合う日も設定した。

 エ(エに○)集会活動の充実

 土曜日に全校集会「あたごの集い」を設け,生徒会に企画運営させ自治力の育成を図った。

イ成果と課題

 学校や生徒会活動において,校風を向上させようとする動きもでるなど,自主的な態度が感じられるようになった。

 しかし,生徒の連帯意識もまだ低調であり,自治力の育成のため具体的な指導訓練


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