福島県教育センター所報ふくしま No.70(S60/1985.2) -023/042page

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の場を設定し,継続的に取り組まなければならない。

2.日常生活指導部

アおもな活動

(ア)学習・生活の基本的なしつけ

「生徒心得」の基本的な事項について、特別の徹底期間を設け,係・生徒と全職員一体となり指導にあたった。その活動として立哨指導,校内巡回指導,校外巡視指導がある。

(イ)オアシス運動の推進

 全職員が毎朝校舎前や玄関で生徒と挨拶を交わしたり,呼びかけをして人間関係の深化を図った。

(ウ)チャイム着席運動の推進

教員自身が率先実行を続け,強化週間の設定や個別指導によって推進した。

(エ)問題行動への対応

 問題傾向を持つ生徒と教師との日常生活におけるふれ合いを強化して,問題発生の防止に努め,また,家庭との連携を密にした。学年間,学級間の中傷をなくし,指導体制を確立し指導にあたった。

イ成長と課題

 生徒の服装や集会等の態度もかなり向上し,校舎の破損も少なくなった。家庭,地域,学校の連携も密になり指導の効果も見えてきた。

 課題としては,生徒とのふれ合いを深化させ,個々の生徒に対して充実した指導を図ることである。

3.学業指導研究部

アおもな活動

(ア)進んで授業に臨む態度の指導

 生徒の実態に基き「学習の心がまえ」を作成した。それによって,学習態度向上のための強化週間を設け,係り生徒と教師が活動にあたった。

(イ)学級担任による学業指導

 生活ノート「あたご」に学習に関する反省も記入させ,学習上の指導や励ましを行った。また,教科担当者会での情報に基づき個別指導を実施した。

イ成果と課題

「学習の心がまえ」や「自主学習の手引き」などによって学習態度がやや向上した。課題としては,少数ではあるが,学欲意欲を示さない生徒の個別指導と自主的な学習態度の育成に努力しなければならない。

4.生徒理解・教育相談研究部

アおもな活動

 (ア)生徒理解の資料と活用

 生徒の基本調査表,事実の記録,教育相談の記録など累積記録をしながら生徒の特性や個性能力の発見に努めた。

 性格診断テスト,マルチ調査なども実施し,研究会で有効な活用法の研修を深めた。

 (イ)事例研究会の実施

 研究の目的に応じ,各学年よりあげられた生徒について多面的な理解を深め,接し方,指導法の研修をした。

 (ウ)自己理解の手だてと援助活動

 生活ノート「あたご」の記入によってありのままの自分を知り,友人と指導者との話し合いで自分の望ましい姿を自覚させるようにした。

イ 成果と反省

 多くの教師が生徒の思考にたった生徒理解を深め,援助指導に努めるようになったことは,大きな成果である。しかし,教師に対して心を閉ざしている生徒も多くいるので,さらに研修を深め,よりよい人間関係ができるよう努力しなければならない。

4.研究のまとめ

 地区生徒指導研究の大きな成果は,四校70余名の教職員に生徒指導についての共通理解と,共通実践の場ができたことである。また,地域における関係機関・団体との連携も密になり,さまざまな成果をあげることができた。特に四校PTAによる地域活動には目覚しいものがあった。

 生徒の姿は,以前に比較し大きく変容し正常化に向かっているが,少数の生徒に問題行動もみられるので,自治力を高めて,よりより校風を確立するため,地域の連携を密にした活動を継続していきたいと思っている。


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