福島県教育センター所報ふくしま No.70(S60/1985.2) -026/042page
(4)三つの行動体制の関連分析
図−1で明らかなように「手つなぎ」の増減と「失禁」「かみつき」との間は「正」と「負」の関係にあり,対称的である。
(1)<2> 〜<7> までは,足のけがにより行動範囲も自然的に制限されたが,集団生活に参加せず,自由にひとり遊ぴができた時期である。
(2)<8> 〜<13> は,運動会の練習期である。8,9は雨天であり,負の行動も多いが,正の行動とつり合いがとれている。他に手つなぎや抱っこの要求を無視されたり,予期しないことへの強制行動をとられる等「満たされぬ自分」としての主張である発信行動がふえている。
(3)<14> <15> は歯科治療等で強制的に体をおさえこまれた時期であり,本児が納得しえない事態への心理的情緒不安や,過度の緊張を強いられたことによる頻尿と考えられる。
(4)「排尿行動」は「かみつき行動」より若干遅れてあらわれてきており,「かみつき」は欲求阻害への直接的対抗行動であり,「排尿」は,そうした生活を余儀なくされた心理状態の象徴としての,生理的反応行動と考えられる。
(5)以上のことなどから,三つの行動の変化を比較することで,本児のコミュ二ケーショソ手段や現