福島県教育センター所報ふくしま No.71(S60/1985.6) -015/038page
順位・学年 小学6年 中学3年 高校3年 1 同級生(89%) 同級生(86%) 同級生(73%) 2 父母(88%) 父母(69%) 父母(51%) 3 学級担任(45%) 学級担任(64%) 兄や姉(34%) 4 先輩(20%) 校長先生(19%) 先輩(24%) 5 兄や姉(16%) 先輩(11%) 学級担任(15%) 〔考察〕
「学級担任に相談する」が,小学生ではおよそ2人に1人,中学生ではおよそ3人に2人となっている。このことは,児童生徒の学級担任に対する信頼関係の厚さをもの語っているものであり,学級担任の生徒指導に関する努力の姿がうかがわれる。高校生になると,担任に相談する者が15%となり,反面「自分のことは自分で解決する」者が多くなってきている。このことは依存から自立への成長をもの語っているものと考えられる。
(3)調査3 相談しやすい先生は-
「あなたが悩みについて相談する場合,どんな先生が相談しやすいですか。」(13項目中3項目以内選択-上位7項目を掲載)
〔考察〕
小・中学生は「気軽に話せる先生」を相談しやすい先生の第1位にあげている。
「本気で悩みを聞き,理解してくれる先生」-
これは「受容及び共感的理解の態度で接する教師」のことであり,これを高校生は第1位に,小・中学生は第2位にあげている。児童生徒の立場に立って,「わかってくれる先生」が相談しやすい先生であるというのである。
小・中学生は「ひいきしない,公平に判断する先生」を,相談しやすい先生の第3位に,高校生は第4位にあげている。なかでも中・高校の女子がこのことを強く望んでいる。やはり,児童生徒の一人一人に目を向け,声をかけ,公平にかかわってくれる先生を求めているものと考えられる。
「ひみつを守ってくれる先生」が小・中・高校生全体を通じて第4位になっている。特に中学女子をはじめとして,小・高校の女子にこの傾向が強い。これは男子との大きな違いであり,特徴のひとつである。女子との相談に当たっては十分心しなければならないことがらである。
「明るく,ゆかいな先生」は20%,「認め,ほめ,励ましてくれる先生」7%,「まじめで,おとなしい先生」2.5%となっており.予想外に低率である。「明るく,ゆかい」なだけ,「ほめてくれる」だけ,「まじめでおとなしい」だけでは,児童生徒が求める相談的な教師像ではないといえる。児童生徒は,彼らの心にひびく「教師の“人間的な高さ”」を,相談的な教師の資質として要求しているものと考えられる。
5 おわりに-調査結果のまとめ
(1)児童生徒が求める“相談的な教師像”
1 いつでも気軽にお話ができる先生。
2 悩みを本気で聞き,理解してくれる先生。
3 えこひいきしないで,公平に判断し,援助してくれる先生。
4 ひみつを守ってくれる先生
5 人生経験が豊かで,現代感覚をそなえている先生。(2)今後の課題
1 「気軽に話せる先生像」を明らかにする。
2 問題をもつ児童生徒及びその父母が求める“相談的な教師像”を明らかにする。