福島県教育センター所報ふくしま No.72(S60/1985.8) -006/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

したものが図2の写真にある円定規二枚である。
図2 エビ・トロコイド作図定規
        図2 エビ・トロノコイド作図定規

 作図にあたっては,定規と台紙の間に用紙をはさみ定規A(基円R=20)を画びようで固定する。転がり円に相当する定規B(r=30)をAの円周上をすべらないように回し,定点P(L=69)の穴にえんぴつの芯を入れて曲線を描く。すべりがあると曲線は歪み,不正確になるので,図2の写真にあるように,台紙に角度β及びψに相当する目盛線を描いておき,定規Bの定点Pを通る直径の線が,θ=90°のとき1を,θ=180°のとき2を(以下θが90°回転するごとに3〜11を)それぞれ通ることを確認しながら作図すればより正確なエビ・トロコイド曲線が描かれる(ψ=(1/3)θであるから)。
 また定規Aの周りをすべらないで定規Bを回転させるには,固定してある定規Aの外周部に両面テープをはり粘着力を与えると作図しやすい。

(2)ロータの輪郭 − 内包絡線の作図
 図2のエビ・トロコイド作図定規で描かれた曲線の輪郭をもとに,図3のようなロータハウジングのネガに相当するものを作り,
図3 ロータ作図定規
        図3 ロータ作図定規

その中心に直径40mmの円板(基円)を接着した(a)定規。直径60mmの円(転がり円に相当)をくりぬいた(b)定規の円に,(a)定規の円板を内接させ,エビ・トロコイドの輪郭とともにすこしづつ回転させ,そのつどエビ・トロコイドの輪郭を形どって三回転を終えると図4のような輪郭線群によって囲まれたエビ・トロコイドの内包絡線,すなわち,ロータの輪郭を描くことができる。
図4 内包絡線の作図
        図4 内包絡線の作図

 この内包絡線の三つの頂点は,常にエビ・トロコイド曲線上にあるので,このロータをハウジングと組み合わせると,お互いに干渉することなく回転させることができる。
 作図の実際は,右図(写真)のように図3における(a)(b)二つの定規を組み合わせ,この場合もすべりをなくすために両面テープで粘着力を与えて作図するとよい。
図5(写真)ロータ作図
        図5(写真)ロータ作図

3.模型製作

 加工しやすさ,仕上げ面のなめらかさ等から,模型材料としては,厚さ5mmのシナベニヤを使ってみた。
(1)ロータハウジング及びロータの作図


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。