福島県教育センター所報ふくしま No.72(S60/1985.8) -008/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

特別活動(中学校)

学級会活動における話し合い活動の活発化を図るために

経営研究部  片寄 秀雄

1. はじめに

 中学校の学級会活動における話し合い活動は,小学校の話し合い活動に比べ,発言が少ないということを耳にすることがある。
 「学級会活動の基盤となる活動は話し合い活動である」といわれているように,生徒たちが話し合いに主体的に参加し,集団活動や実践活動の方向を決定していくことに,学級会活動の意義がある。
 しかし,実際には前述のように,話し合い活動があまり活発ではないようである。
 そこで,中学校の学級会活動における話し合い活動を活発にするための方策を述べてみる。

2. 生徒は学級会活動にやる気をもって取り組んでいるか

 ここに,京都市教育研究所が行った「小・中学生の主体性にかかわる調査」がある。資料1は,中学生6,848名を対象に,「やる気をもって取り組んでいるもの」を6つまで選ばせた調査結果である。
   (資料1)
   〔あなたが学校での生活にかかわりの深い,次のいくつかのことがらのうち,現在「やる気」をもって取り組んでいるものはどれですか〕
    人 数
1 国   語 l,618 23.6
2 社   会 2,263 33.0
3 数   学 2,947 43.0
4 理   科 1,873 27.4
5 音   楽 1,275 18.6
6 美   術 1,274 18.6
7 保健体育 1,571 22.9
8 技術・家庭 1,429 20.9
9 英   語 3,014 44.0
10 道   徳 161 2.4
11 学級会活動 28 4.1
12 生徒会活動 20 3.0
13 クラブ活動 918 13.4
14 学校行事 1,084 15.8
15 学級指導 582 8.5
16 部 活 動 2,171 31.7
17 特にない 578 8.4

 一見しただけで国語など9教科は,やる気をもつ生徒が18%から44%を示しているのに対して,生徒活動では,学級会活動4.1%,生徒会活動3.0%,クラブ活動13.4%と非常に低い数値となっていることが分かる。このことに関して研究報告書では,次のように述べている。
・ 学級の状態(学級での話し合い,雰囲気)によってやる気を出したり,なくしたりすることから,学級がきわめて大切であることがわかった。しかし,学級の状態については,生徒はあまり関心を示していない。それを解決するためには,やる気を大きく左右する学級の指導(道徳,学級会活動,学級指導などを含めた総合的な指導)を強化すべきことが急務であるといわざるを得ない。
・ 道徳,学級会活動,生徒会活動の低調さは,受験に無関係であるからという理由で置き去りにされているといえそうでもあるが,小学校でも同じことを考えれば,訓練の不足,指導の不徹底が鮮明に浮かび上がってくる。
 このような実態は,本県で同様な調査をしても,はぼ類似した結果になるのではないかと思われる。

3. 教師は学級会活動をどのようにみているか

 愛知県教育センターが,「望ましい学級集団の育成」の研究の中で,特別活動及び部活動について,中学校教師を対象に行った調査では,下のグラフにみられる結果となっている。
        (資料2)
(資料2)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。