福島県教育センター所報ふくしま No.72(S60/1985.8) -017/038page
(3) 体力つくりの時間
創意を生かした教育活動の時間のうち年間22時間をあてている。学年縦割り集団のよさを積極的に生かす工夫をしながら,リレー,ゲーム,ダンス,相撲,スケートなどを実施している。
特に今年の冬からは,校庭に1周100mのスケートリンクを作り,手づくりのゲタスケートを使用したスケートの時間も取り入れ,子どもたちに寒い冬でも外で遊ぶ楽しさを味わわせることができた。(4) 保健活動
- はだしの活動
S56年6月にスタートし5年目になった。はじめ,はだしの活動に次のことを期待した。冬のはだし活動
- 土ふまずの形成がすすむだろう。
- 恵まれた自然環境に思う存分ひたることによって子どもらしい遊びや動きが復活するだろう。
- がまん強い子になるだろう。
はだし活動の成果
- 初めての冬は,あかぎれやしもやけで苦痛を訴える子どもが出たり「靴をはかせてほしい」という保護者の要望があったりで,私たちは悩んだが,「先生もはだしでがんばるから,ついてこれるものはついてこい」ということで切り抜けた。でも,老人会の方々からのわらぞうりの寄贈は大変嬉しかった。毎年届けていただくので地面の凍結のひどいときや低学年の抵抗力の弱い子は使用している。
はだし活動をすることによって土ふまずの形成が非常にはやくなることについては,ここではくわしくはふれないが,顕著な成果として次の3点を確認できた。
- 男子より女子の方が形成がはやい。
- 高学年より低学年の方が形成がはやい。
- はだしでの運動量が多い子どもほど形成が顕著である。
- 指の働き
5本の指と指の間が広くなり,1本1本の指がしっかりと地につき,十分に機能を果たせる状態になった。はだし活動は扁平足の解消だけでなく,足の機能を十分駆使するのに効果があることも分かった。- 予想できなかった調整力
マラソンのときなど校庭に少し大きめの石がころがっていても,まるで足の裏に目があるかのように避けて通ったり,危険な物が落ちていても見逃がさず拾ったり,無意識のうちに自己防衛力が働くようになってきた。- 心の変化
寒い冬のはだしの活動からがんばることの大切さとつらさに耐えた自信を体得し学習や作業面でもがんばりのきく子どもに成長した。- 肥満及び肥満傾向児対策について
土ふまずははだし活動を1年間することによってはぼ全員に形成が見られるが,肥満及び肥満傾向児を正常に戻すのは大変な苦労であり,入学前の生活が大切であることを痛感している。肥満児は度が進むと体を動かすこともいやがり,遂には力を出して試みる意欲も全く失ってしまう。本校にもS56年度には4.2%の肥満及び肥満傾向児がいたが,現在目立つ児童はひとりとなった。
- めあてを持って自主的に努力することが大切であると考え,個に応じた計画やカルテをもたせて努力させた。ローレル賞なども出して激励もしている。
- 肥満児体操
縄とび等を主体にして放課後特別指導をしているが,低学年の子どもたちは喜々として参加しているが,高学年の子どもたちは容易ではないようである。- この問題は家庭との連携協力が絶対に必要であるので
- 定期的に保護者,本人,担任,養護教