福島県教育センター所報ふくしま No.72(S60/1985.8) -018/038page
諭で4者相談を持っている。
- 定期的に体重を測定し,ローレル指数を出しグラフ化し本人の努力を賞賛できるように配慮している。
- 長期休業中に元に戻ってしまうことが多いので,特別な計画表を作成し,自主的な取り組みができるようにしている。
- 水泳は合理的であり,効果が高いので重視している。
(5) 地域や家庭との連携
- 本校が現在地に新築移転するにあたっては地域と人々の尽力があり,学校への期待感も大きく老人会の方々のわらぞうりの寄贈をはじめ,非常に協力的な地域である。
- 学校の体力つくりに呼応する家庭がふえてきた。
家庭に砂場や鉄棒を作ったり,一輪車を購入したり,夕方親子で校底に釆て運動をする親の姿もみられるようになった。逆立ちなどは入学前の幼児たちも含めて家族全員で競い合って実施している家庭も増えている。- 子どもに楽しい生活を味わわせたい
本校の子どもたちは,日暮れまで運動をしたり学習をしたり,遊んだりで学校ですごす時間が長く帰宅時刻が遅くなると,遠くから通学している子どもの親は苦にせずむかえにみえる。学校が好きで楽しくて仕方がない子どもたちに保護者の応援もありがたい。4. 成果と今後の問題点
(1)成 果
- 体力が向上した
S59年度のスポーツテストの結果は,県平均を上回った項目が全体の87%,特に走力の向上や高学年の体力の項目の向上が著しい。- 早寝,早起き,快食,快便が定着し子ども本来の生活習慣が身についてきた。
本校の子どもたちの約80%は,朝六時までに起床し,夜九時までには床についている。在校時間が長く,夕方遅く疲れて帰宅するので就寝時刻は早く睡眠時間も長い。夕食,家庭学習,入浴と時間の使い方を効率的に工夫している子が多く,テレビをみる時間は非常に少ない。また塾に通っている子どもは18%(市内の平均59%)と少ない。早寝,早起きの習慣が身につき,約80%の子どもは,朝食を十分に食べ排便をして登校する習慣がついている。- 子ども本来の活発さや明るい表情が出てきた。
目標に向って本気で競い合う中から,教え合い,励まし合い,助け合いなど,本当の友情を知り,上下の関係も優劣の感情も越えて一人一人の子どもが自分の持ち味を思う存分発揮できる集団に成長した。- がまん強くなった。
はだし活動で培われた心は,教科学習や仕事の面にも好影響を及ぼしている。
計算問題は間違っても何度も正答が出るまで,図工の作品制作なとでも,自分の心にある形や色が作れるまで,あきらめずに取り組むようになった。(2) 今後の課題
- 複数学年の体育の授業は始めたばかりであり,試行錯誤の段階であるが次のような効果を発見しつつあり今後更に進めたい。
- 上学年の子の自覚,面倒の良さ
- 低学年の子の技能の伸びが著しい
- 家庭における体力つくりは,まだすべての家庭でといえる段階ではない。今後どのような方途を講じたらよいのか検討したい。
- 体育科における教材の配列
同じことをやらせると筋力を必要とするものを除いて調整力,巧ち性等は低学年の方が伸びが早い。従って,ごっこ遊びを中心とした低学年の教材においても,巧ち性を高めることを考慮してその配列にあたらなければならない。