福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -014/038page

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研修者の感想

学校カウンセラー講座(中級)を受講して

福島市立福島第二中学校養護教諭  大槻栄子


<はじめに>
 今回,学校カウンセラー講座(中級)を受講できた事を大変幸いに思っております。なぜなら,現在.中学校の保健室には,外傷や疾病などの救急処置や保健指導の必要な生徒以外に,いろいろな問題(悩み,不安,不満)等を訴えて来室する生徒が年々多く,その生徒の対応に頭を痛めている状況だからです。これらの生徒に少しでもよい援助指導をするには,自己研修は勿論のこと,学校カウンセラー講座で研修することがなによりと,執務上の必要性を強く感じ以前から当講座の受講を希望していました。中級の受講は,初級より狭き門ということで研修の機会を心待ちにしておりました。

く講座の内容で感じたこと>
 3泊4日の研修日程の中に6コマの講義と演習がとり入れられてありました。講義は,わかりやすく,楽しく進められ,講義後の演習の時は,特に自分にかかわるものについては,何をするのか何をさせられるのか,生徒と同じように,不安・心配がありましたが,自分自身望んで受講している講座です。後には引けません。自分を変容させるためにも,“積極的にとりくもう”という気持ちで演習に参加しました。又.演習の場面,場面で受講生の人柄等も,かいまみることができ,不安・心配が自然となくなり,楽しい雰囲気の中で演習の時間を過ごすことができ,参加してよかったとの実感を強くもちました。しばらくぶりに,新鮮な気持ちで講義を受けることができ,その上自分を刺激するよい機会になった事が,大きな収穫であったと思っています。
○検査の処理とテストバッテリーについて
 中級の講座では,YGとDATの諸検査を事前に行い持参することになっています。そのためには,事例となる生徒の協力が必要です。生徒を選び検査の目的を話し協力してもらいましたが,他の生徒からも“検査をして”“いつ検査をしてくれる?”とせがまれ,これらの生徒の要望に答えるためにも検査の処理の仕方,検査結果の読み方を勉強しなければと検査実施の段階より思いました。
 講義・演習を通して学んだ事を,担任に報告し今後の指導方針等についても話し合いを行いました。又,検査に協力してくれた生徒にも結果について必要なことを話し,日常生活に目標をもたせ時々声をかけ頑張らせております。これからも問題行動の要因を的確にとらえるために,当講座で研修した事を活用し,援助指導に役立てていきたいと考えています。
○ロール・プレイングについて
 ロール・プレイングとは「いま・ここで」すぐさま他の人々の社会的な役割や,自分自身の新しい役割をとり,心のおもむくままに自由に話したり,動いたりする即興性の劇のことであると教わりました。役割を決め,演技をするもののなかなか役になりきれず,冷や汗ものでした。今思うとはずかしさを覚えましが,積極的に演技しましたこの場面で自分自身をさらに知ることができ,自分を変容させなくてはと,気付かせていただきました。受講生のどなたも熱心に演技し,時折,迫力ある演技に大笑いする場面もあり,初対面とは思われないような,なごやかな中で演習を行うことができました。人と話をするということは疲労が伴うものです。1日の研修が終わった後のほどよい疲労は,眠りへのよい薬となりました。

<おわりに>
 学校カウンセラー講座(中級,前期)でいろいろな事を研修することができました。小・中・高の先生方とご一緒でき.お話をすることができた事,さらに自分自身をみつめることができた事,大変収穫でした。保健室で1人悶々することなく研修の機会を大いに利用し,自己研修をすることが大事であると考えます。学校という組織の中で自分は何をしなければならないのか,自分の立場をよくわきまえながら,組織の中の一員として,生徒への援助指導・情報交換等を今後も続けて行きたいものと思っています。後期の講座でもよろしくご指導をお願いいたします。

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