福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -017/038page

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には,単位時間の展開のみならず,各時間の関連を図った指導を重ねることが重要である。したがって,生徒の活動の実態が教師の指導とどうかかわっているかを調査することは,問題の解明と改善のための手がかりを得るため有効であると考えられる。
2 結果−1(生徒による班活動状況評価)%
          年

イ・ロ

ハ・ニ

ホ・ヘ

場面      評価

P (学級会)

41.7 41.7 16.6 66.7 33.3 0.0 16.7 83.3 0.0
D (行 事) 33.3 58.4 8.3 41.7 50.0 8.3 16.7 83.3 0.0
S (ゆとり) 33.3 50.0 16.7 50.0 41.7 8.3 8.3 91.7 0.0


 結果−2(教師の指導の実態)○実施 ×実施せず
 
       学級
事前P(学級会) × ×
事後S(ゆとり) × ×

※「二」学級のPは「道徳」と入れ替え実施

3 考察
 ア 計画―実践―反省(評価)の各段階における活動状況の評価は「ホ,へ」の学級が他の学級に比べ特徴的であり,「B」段階の数値が極めて高く,活動目標や評価基準があいまいで,判断に迷いが感じられる。
 イ 計画的に指導した学級は3学級のみで,2学級では生徒まかせで,教師の指導性は発揮されていない。
 ウ このことから,生徒の評価をそのまま受け入れることは危険ではあるが,指導の実態が生徒の活動に投影されているといってよい。

<調査−3>
 「教師による特別活動に関する評価」
1 調査の趣旨
 教師の特活に対する認識が強ければ授業充実のための努力が払われ,それなりの成果が期待できるはずである。教師の自己評価は,調査1・2の実態を解明し,改善を図るための手がかりを得るため有効であると考えられる。
2 評価結果
観点                  教師
授業・活動の実際 特質の理解
指導案の作成
生徒の活動
教師の指導・助言
資料・記録の累積
指導の改善


3 考察
ア 教師イ,ホは過年度における実践のリーダーである。ホは特別活動の特質理解のもとに指導計画を作成しているが,イとともに指導の改善について努力不足を認めている。しかし,調査2によれば,イは計画に即して着実な実践をすすめていることがわかり,現状に満足せず,一層の充実をめざしているといえる。
イ 教師(ヘ)は特別活動担当教師であり,生徒の活動と自己の助言を高く評価している。
 しかし,調査2によれば,特活の時間の内容変更が多いことから,現状に満足しており,実態のとらえ方もあいまいであるように思われる。
ウ 全体的にみた実態は,「記述」による反省にもみられるとおり,いわゆる「手ぬかり」「不徹底」という表現が多く,教師の認識や関心の実態が調査1,調査2結果2,指導の実態は調査2結果1となって現われているといえる。

(3)問題の背景と対策
1 「発達課題」というものが生徒の自主的,自治的活動として受けとめられ,教師の指導性不在の「生徒まかせ」の活動とされやすい。
 そのため,特別活動における生徒指導の機能について,改めて理解の強化を図る必要がある。
ア 前年度研究集録に基づく研修会の継続実施
2 各部門間の相互補充による発展的指導の効果を期待して配列された主題において,その

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