福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -018/038page
相互関連の把握が十分なされていない傾向があるため,指導の順次性や発展を明確にし,指導方針や指導計画への認識を高め,着実な実践がすすめられるよう改善する必要がある。
ア 特別活動部
実施案の作成,余裕ある提示と連絡.調整,事前研究の推進
イ 授業研究
方針や計画の実践をとおした認識の強化
3 教科指導に比べ,特別活動への関心は低く主題研究や諸準備がおろそかになる傾向があり,そのため授業充実が期しがたく,あるいは計画変更の原因となりやすい。
この実態は,発達課題に即するため,主題によっては事前,事後の指導が必要な場合であっても,それが十分になされないこととなるため,事前,事後指導の機会や場の設定を工夫し,全教師が共通に指導できるようにする必要がある。
ア 月別行事予定表に特別活動計画を組み入れ,あらかじめ確認.準備ができるようにする。
イ 週間プログラムの運用や「ゆとり」の時間の活用
○ 事前P,事後S指導は「ゆとり」の時間を活用。ゆとりの時間は月曜日の学級の時間(内容によっては全校集会で指導)と金曜日の「みよび」と呼称する本校独自の時間である。
○ 週間プログラムは固定したものとは考えず,学級の時間,全校集会,創意の時間,みよび,学指,学活それぞれの時間について,主題の順次,発展に応じられるよう必要に応じて組み替える(変動プロ)
(4)実践例(10月学校行事「砂の造形」)
1 目標……(略)
2 指導計画
基本計画(教師)→文化常任委員会 →各学級 →各班
○事前指導P・‥…構想,分担,準備物
○本 事D…・‥製作
○事後指導S……反省,評価,表彰
3 機会,内容
基本計画→ 生徒会活動P→ 学級会活動P→ 本 時D→ 学扱の時間S ・特活部 ・美術部
・打合せ
文化常任委 (計画への参如)
・構 想 ・役割分担
・準備品
斑単位の活動 ・感受.構想
・表現・鑑賞
反省(班) (評価票)
・理解と意識(発達課題は何か。そのための生活体験は何か。計画に即し確実に、援助者として共に考え.共に行動する。)
4 段階
○10/9(火) 打合せ
○10/12(金) 常任委員会(みよび)
○10/16(火) 学級会活動
○10/18(木) 本時(行事)
○10/22(月) 反省(学級の時間)
(5)実践の結果と考察
改善策に基づく部分的試行は7月において実施されたが,よい傾向がみられたので,第2学期より実施に移し,その実践状況を調査したところ,次の結果を得た。
1 学級指導,学級会活動の実践状況
ア 調査の趣旨
教師の理解,認識が高まり,実践の機会や場が明確になれば,着実な実践がなされるはずである。
実践状況を把握することにより改善の成果と今後の対応について検討する。
イ 結果
9〜10月
授 業 実 践 状 況
予定時数
48時
(100%)
ア 計画に基づく実施
27時(56.3%)
38時
(79.2%)
イ 変更主題による実施
11時(22.9%)
ウ 変更し.特活外の授業に充てる
10時(20.8%)
計
48時(100%)