福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -021/038page

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確かな知識にうらづけられた実践ができるであろう。
<仮説のための理論>
1 指導過程
問題をとらえる―見通しをたてる―実証する―身につける―生活に生かす の段階をふむ。
 問題解決につながる基本的な学習を考え,その過程で育つ生活処理の考え方,能力,実践力をのばす。
2 原理がわかるとは
 実習の根拠となる科学性を見い出すこと。
3 実験の条件について
○基礎的・基本的なもので,それを明らかにしておくと学習の基礎となり,いろいろな場面での生活行動が能率よく合理的にできるもの
○理論や予測を明らかに実証しうるもの,知識・理解を確実にするための実験だから明確な結果がでるもの
4 実践とは
○学習した結果を生かそうとする身構えや姿勢をもつ
○学習した結果を行動化する
3 計 画
(1)方法 一群法による
(2)対象 6年5組 41名(男23名 女18名)
(3)組織 個人研究 必要に応じて同学年の協力を得る
4 研究の概要と考察
(1)研究の経過
 1 検証までの準備
 ○検証対象学級の実態調査
 ・児童の興味・関心,経験などの把握
 ○事前,事後,把握テストの問題作成
 ○文献研究
 ・繊維の鑑別
 ・繊維の性質と特徴
 ・布地の再汚染 ・指導過程
 ・洗濯時間と汚れのおちる割合
 ○資料の準備
 ・繊維の性質と特徴の表
 ・くりかえし洗濯をした場合の再汚染率
 2 検証授業計画
 ア 題材名   衣服の手入れ
 イ 指導計画  6時間
  衣服の手入れ
(1)布地の種類とせんたく…………‥・…2時間
  ○布地の種類 ‥・…‥…‥‥‥・‥・(1)検証授業〔1〕
  ○布地に適した洗剤の選び方…‥・‥・(1)検証授業〔2〕
(2)せんたくのしかた………‥‥・…‥・‥‥2時間
  ○布地の汚れに応じたせんたくのしかた‥…‥‥…‥(1)検証授業〔3〕
  ○電気せんたく機と手洗い‥‥‥(1)
(3)せんたくの実習…・‥‥‥・‥‥……‥‥‥2時間
 ウ 検証授業〔1〕第1時
    布地の種類〜 燃焼実施 (省略)
   検証授業〔2〕第2時
 (ア)題材  布地に適した洗剤の選び方
 (イ)本時のねらい
   ○ 布地の性質を理解させ,洗濯物の品質表示を見て布地にあった洗剤を選ぶことができる。
 (ウ)指導過程
   太字フォント は仮説との関連
学 習 活 動 ・ 内 容 時間(分) 指 導 上 の 留 意 点
1 繊維の性質について調べる
 ・アルカリに対する繊維の性質の実験
  5%の水酸化ナトリウム溶液中に三種類の試
  験布を入れ変化のようすを観察する。
(教師実験)

アルカリに対する繊維の性質の実験図

2 洗剤の種類について調べる
 ・石けん

15

 

 

 

 

15

○日常多く用いられている綿.毛,化学繊維のほか
 に混紡も多いので品質表示で確かめさせ,それぞ
 れの繊維には特徴があることに気づかせる。
○実験により毛はアルカリに弱いことに気づかせ,
 洗剤との関係に目をむけさせる。

 

 

○アルカリに対して弱い繊維には中性洗剤を使うと
 よいことをわからせる。


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