福島県教育センター所報ふくしま No.73(S60/1985.10) -023/038page

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  ○洗い方 しぼり方 ほし方    
生活に生かす 7 洗濯してある自分の上着はどうなってい
 るか,これからはどうすればよいか発表し
 あう。

5

○黒ずみや黄ばみをなくす考えをまとめさせ,発
 表させて理解の一般化,実践への意欲づけをは
 かる。
 自分の上着の洗濯について客観的な反省がで
 きたか。

(2)検証と考察
1 検証の観点
ア 仮説を検証するにあたり一時限の授業では検証不十分なので題材全体の指導を通した変容をみる。
イ 事前・事後・把持テストを実施し,有効度指数・把持率を求めて理解度・定着度を考察する。
ウ 洗濯に関する興味・関心については観察や児童の反省文・感想文等で総合的に考察する。
2 授業の考察
ア 布地の燃焼実験の学習により児童は服が燃えたり溶けたりすることに驚きを感じ,布地の性質に目をむけるようになった。また品質表示に関心を持って,家から組成表示マークを集めてくる児童も出てきて関心が非常に高まった。
イ 布地のアルカリに対する性質を理解させる実験では,綿やポリエステルはアルカリ溶液の中で変化が見られないのに,毛だけがスルメのようにまるまって,硬くなったり,弱くなったりすることに驚いていた。そこから,布地に合った洗剤を選ぶ必要感を持つことができた。
ウ 布地の燃焼実験と布地のアルカリに対する性質を見る実験は教師実験により児童に観察させたが,これは,それだけで十分ねらいが達成できる内容であると思う。
エ 再汚染についての実験では,給食用白衣の黒ずんでいるものと白く洗いあがっているものを比較させたことは,児童一人一人に課題意識を持たせるのによかった。給食用白衣は,毎週家庭にもちかえって洗濯しているものであったため,どうして,一方は黒ずんで,一方は白いのかと疑問を持ち,白く洗いあげるためにはどうしたらよいのか,そのわけを知りたいという欲求が強まった。
オ 再汚染の実験では,被服材料としてよく使われる綿100%,綿とポリエステルの混紡,ポリエステル100%の三種類の布を用いた。この結果,ポリエステルの性質をより強調することになり有効であった。
 児童は組成表示の中にポリエステルが少しでも入っていたら,取り扱いには気をつけなければならないと考えるようになった。
カ これらの実験学習を通して,洗濯では,布地に適した洗剤を選ぶこと,布地に適した洗い方があることなどについてより確かな知識を身につけ合理的な処理のしかたがわかったと思う。
3 事前・事後・把持テストの結果 <2>
4 結果の考察
 <表2>を見ると事後テストの結果が非常にのびている。とくに布地と洗剤との関係は従来わかりにくいものであったが,実験で印象づけられたためよく理解された。
 有効度指数,把持率ともに高い数値を示しており定着度は高い。
 再汚染についてはよく理解でき,合理的な処理のしかたが身についたと思われる。
 「せんたくについて,わからないことは何ですか」という問いに対して,洗剤の量がわからないという児童が,事後で31%もあることは見すごすことができない。<3>
 一般の家庭では,勘や慣れにたよる生活があり,便利な家庭用器具などが使われているわりには計器類の使用が少ないようである。そのため応用力のない児童が自信をもてない面がある。家庭の協力が大切になってくる。
 児童の反省と感想から
○ 毛は絶対にアルカリ性の洗剤で洗ってはいけないということがよくわかった。せんたくだけで毛の服やセーターをだいなしにしてはいられないから,品質表示をよく見て洗わなければと思った。実験はとてもおもしろかった。(E・T)

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