福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -002/038page

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高校教材

二次曲線の導入教材としての放物線

教科教育部  水野  信

1.はじめに

 「二次曲線」の指導においては,放物線またはだ円をその導入教材とするのが一般的なようである。放物線については,だ円に比べてその方程式が導きやすく,また,生徒は,二次関数のグラフとして放物線を学習しているので理解しやすいと思われる。したがって,放物線を二次曲線の導入教材とすると,生徒は,これまでに学習したことを生かして,興味と関心をもって学習活動ができるものと考えられる。そこで,放物線の導入の工夫と曲線のかきかたについて述べてみる。

2.放物線の導入のエ夫

 既習の二次関数のグラフを利用して,次のことに留意しながら導入を行った。
(1)生徒が資料 1,2の座標平面に P i F = P i H i である点 H i をとったとき,H i が一直線上に並んでいることに気づくようにする。
(2)生徒に証明を通して PF = PH が成りたっていることを発見させる。
 以上のことから,生徒に定点 F(焦点)のとり方に関心をもたせることができ,そこから本時の授業の目標に導くことができるようにする。

3.指導の実際

(1)単元名 二次曲線
(2)本時の授業
  1. 題材 放物線
  2. 目標
     (ア)放物線の定義による方程式を導かせる。
     (イ)放物線の焦点,準線,頂点,軸について,その幾何学的な意味を理解させる。
  3. 準備資料
     1目盛りの長さが1cmの座標平面に
      放物線 y = (1/4)X2をかいたプリント(資料 1)
      放物線 y = (1/2)X2をかいたプリント(資料 2)
    資料 1
            資料 1

    資料 2
            督料 2

    (3)指導過程
    学習内容・活動 時間 指導上の留意点
    (導入)
    1. 本時の目標を確認する。
    2. 資料 1 の曲線上の点 Pi(i=1,2,3,4,5)と定点 F(0,1)を結んで各線分の距離を求める。
    5分
    定義の内容は示さない。
    距離は整数になるように P i をとる。
    (資料 1)
    (図 1)

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