福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -021/038page

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研究実践校紹介

障害者を正しく理解し,共に生き,いつくしみ合う生徒を育成するには,どうすればよいか。

富岡町立富岡第二中学校

1.本校概要

(1)生徒数・職員数等

  昭 58 昭 59
生 徒 数 277 308
学 級 数 7 8
職 員 数 15 17

(2)地域環境
 かつては純農村地帯であったが,近代化の波とともにしだいに都市化し,東京電力の原子力発電所の建設は,一層それに拍車をかけたようである。
 農家は8%で,ほとんどが兼業。建設業は12%と高いが,原発工事の一段落とともにしだいに不況の故におそわれている。他は公務員を含む多くのサラリーマンで,当地は住宅地としての様相が濃い。
 4,5年前に校舎・体育館が新築されたが,電源交付金等の恵みで,他に勝るりっばなものである。
 保護者の学校教育に対する関心及び生徒の学習に対する価値観は相当に高い。生徒は総じて温和・素直で,集団生活に不適応な者はいない。

2.協力校及びその概要

(1)協力校
   福島県立富岡養譲学校(精薄)
(2)所在地
   富岡二中から同じ町内で約2キロメートル北西の丘陵地にある。
(3)児童生徒数及び職員数等

  昭 58 昭 59
小学部児童 50(うち訪問3) 44(うち訪問4)
中学部生徒 56( 〃  5)  ( 〃  4)
学 級 数 小9 中8 小7 中8
職 員 数 38 36

(4)児童生徒の言語表現の実態(昭59)
音声言語のない者 42
2・3の音声を出す者 9
1語文を話す者 11
簡単な会話ができる者 12
日常の会話ができる者 20

3.主題設定の理由

 心身に障害を持つ者が,社会に参加できるようにするためには,障害児に対し,障害を克服して積極的に社会に参加できる能力や態度を身につけさせることも大切であるが,障害者を受け入れる一般社会の人々が,障害者についての理解と認識を深めることによって,障害者の社会参加の阻害要因となっている誤解や偏見を除去することも大切である。
 昭57年度に富岡養護学校が,県指定により,本校第2学年生を協力生徒として,宿泊を含む3回の交流機会を設けたので,昭58年度本校3年生には,障害児を忌避する傾向や偏見がしだいに除去されつつある。しかし,その理解や認識は,あわれみや同情の域を出ない程度のものが少なくなかった。また,この交流に参加しなかった1・2年生の理解は皆無と言っても過言ではない。
 この機会に,障害児との交流を通して,生徒たちが,真の人間愛に目覚め,「共に生き,いつくしみ合う」ことができれば,障害者の社会参加の基盤が広がるだけでなく,明日を担う中


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