福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -029/038page

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個人研究

低学年における文章表現力を身につけさせるための日記指導

福島市立福島第四小学校教諭  斎藤 龍雄

1.はじめに

 昭和55年度に初めて1年生を担任することになった。その中で,文章表現力を高めるための手だての一つとして,日記指導の有効性に着目し始めた。
 日記を書くことは,児童の物の見方・考え方・感じ方を深めたり,物事を継続して行う良い習慣を身につけたりすることができる。同時に,文章表現力をも高めることができる。また教師にとっても,児童一人一人についての理解を深めることができ,教師の考えを知ってもらったり,ふれあいを深める上でも有益である。
 しかし,国語科の中で意図的・計画的になされる作文指導との関係や,その位置づけのあいまいさ等から,何をどう指導すればよいか,まだ不明確な点が多い。さらに,日記の指導が,どうしても教科の枠をはみ出ることが多いことから,時間的な制約も大きい。そして,いかにして効率化を図りながら効果を高めるかの方法や工夫が,まだ現場には十分に定着しているとはいいがたい。その他,日記指導がかかえている問題点も多い。
 そこで,再度1年生を担任することになった昭和57年度から,本格的に日記指導に着手し,低学年の児童に文章表現力を身につけさせるための日記指導のより効果的な指導法を,実践的に研究してみようと考えた。以下,実践の概要について述べてみたい。

2.仮説

(1)概括的仮説
 日記には何をどう書けばよいかをわからせ書く意欲を継続的に持続させるような励ましの手だてを工夫すれば,低学年の児童の文章表現力を高めることができるであろう。

(2)具体的仮説

  1.  1年生の場合
     ア 書くこと以前
     (ア)思ったことや感じたこと,考えたことなどを自由に話し合える学級の雰囲気作りをする。
     (イ)日本語による「話し・聞く」の能力をしだいに「書きことば」(標準語=文章語)によるものへと近づけていく。
     イ 書くことに必要不可欠なかな文字の重点的な指導をする。
     (ア)平仮名の読み書きの完全習得
     (イ)片仮名の大体の読み書き
     ウ 教科書教材の表現領域の単元の指導と併せて指導し,日記には何をどう書けばよいかをわからせる。
     エ 日記を書くことに対する興味・関心を持続させるような励ましの手だてを工夫する。
  2.  2年生の場合
     ア 書きたいと思う題材について必要な事柄が選べるよう,取材の範囲を広げさせる。
     イ 書きたいことが正しく,思うように,しかも読み手によくわかるように表現できるよう,内容や文章の構成の仕方をわからせる。
     ウ 日記を継続して書こうとする意欲を持続させるとともに,正しく表現しようとする態度を育てるための効果的な手だてを工夫する。

 以上のような点をおさえて日記指導にあたれば低学年の児童の文章表現力を高めることができるであろうと考えた。

3.計画

(1)方法     一群法による
(2)対象
         昭和57年度1年生42名
         昭和58年度2年生45名
         (昭和57・58年度は,継続担当学級)
         昭和59年度1年生34名


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