福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -031/038page
くことを見つけさせ,絵と結び合わせながら,文と文のつながりを考えてまとまりのある絵日記を書かせる。
ウ 10月下旬(作文)
経験したことの中からおもしろく心に残っていることを選んで日記を書き,読み返して誤りを正させる。
エ 12月(作文)
昨日したことの中から一番書きたいことを選び,したことの順序をたどって,様子がよく分かるように,主述の照応,句読点やかぎ,漢字などを正しく使って日記を書かせる。
オ 2月中・下旬(作文)
身近な人や自然,社会的事象などについて,順序をたどりながら少し長い日記を書かせると同時に,読み返して誤りを正させる。- 興味・関心を持続させる励ましの手だて
ア 日記には, 必らず 赤ペンで評語を書く。
(ア)初めのころは,できるだけその日のうちに日記を読んで評語を書いて返す。
(イ)それまでのと比べてその子なりに進歩した点をとりあげ,時には点数(100点満点とは限らない)をつけたりして励ましてやる。
(ウ)題材や内容,書きぶりのよい作品などについては,具体的にその良さを指摘しながら読んで紹介したり賞揚したりしてやる。
(エ)何をどう書けばよいかこまっている児童のために,朝や帰りの会などの時間を利用して題材のヒントを与えたり,表現の方法を教えたりしてやる。
(オ)折にふれて日記を書くことの良さや,日記を書き続けることで身につく良い習慣などを話してやる。
(カ)日記を書いてきたどはうびとしてシールを一杯ずつグラフにはってやり,継続することの喜びを味わわせる。- 第1年次の反省と問題点
ア 三学期の半ばころにははとんどの児童が,文章だけの日記が書けるようになった。
イ 冬休みや春休みも休まずに継続して日記を書いた児童が三分の二以上おり,多い子では,120字詰の原稿罫ノートに8冊も書きためるほどになった。
ウ 提出された日記をその日のうちに読み,評語を書いて返すことは,時間的に制約も大きく,子ども本人をおろそかにする危険性もある。
エ あと書きの赤ペンによる評語にはどんな内容を,どのような表現で,どのくらいの分量で書いてやれば効果的か,ということがつかみきれなかった。(2)第2年次(2年生)の取り組み
第1年次の実践の反省に基づき,第2年次は,取材の範囲の拡充と赤ペンによる効果的な評語の書き方に焦点を絞って実践した。その中でも効果的な評語の条件を明らかにすることを重点にして進めてみた。
- 参考文献による理論研究を行い,評語を書く時の基本姿勢を固めた。
- 今までに教師が書いた赤ペンの評語の中から,気に入ったもの,すきなものを選んで簡単な理由も添えてもらい,子どもが喜ぶ赤ペンの評語の条件を探ってみた。
- よくがんばりましたねというところが,とっても気に入りました。はげますようなかんじがしました。
- みじかいけど,百点まん点というのがうれしいです。たまにちょこちょこ書いてあるへんじはいやで,やる気をなくしてしまいます。点をつけたり,ここがいい,ここがわるいというようにしてほしいです。だけど,花まるに百点は.とってもうれしいです。
- その時の気もちを書いておくともっとよいですね,というのが気に入りました。その分だけ日記の書き方をすこし教えてもらえたしとてもくわしく書けました。
- 先生が,ぼくの本とうの気もちを分かってくれたことが,うれしかったです。
- ぼくとおんなじく.ナイショニシテクレル?なんて.先生も同じことを書いたのには,ぼくは,わらっちゃいました。つかれて書きたくない時など,2,3行しか書かなくても先生はへんじをくれます。そんな時ばくは「明日はがんばって書くぞ。」と思います。