福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -033/038page

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児童のアンケート結果 5

児童のアンケート結果 6

    調査結果からいえることをまとめると,以下のようになる。
  1. 毎日評語を書き続ける中で,徐々にその要領を体得していくようにした。
  2. 第2年次の反省と問題点
     ア アンケートの結果もこれまでの教師の基本的姿勢や子どもが喜ぶ赤ペン評語の内容を裏づけるものとなり,効果的な評語の条件がより明確になった。
     イ 3年生になる春休みも継続して日記を書く児童が多く,二年分の日記を個人ごとにまとめて製本し,継続の喜びを味わわせることができた。
     ウ 毎日書くために,取材や構成に苦労している姿も見られる。
     エ 児童自身でも,文字や記号,表記上のことに注意はしているが,完全に定着しているとはいいがたい面がある。

(3) 第3年次(1年生)の取り組み
 昭和59年度は,幸いにもみたび1年生を担任することができたので,今までの成果を追確認しながら,問題点を別の視点から究明しようと考えた。特に,表記面を含めた体係的な文字指導に力点を置いて実践した。

  1. ます目分割による筆順と表記の指導
  2. 文字の基本点画の理解による筆順指導
  3. 複雑な形のかな文字理解の手だての工夫
    • 空間の方向感覚の養成
    • 始筆と終筆の意識化のための線遊び
    • 平仮名の画数に着目したパズル遊び
  4. つまづきの多い助詞の取り立て指導など

5.おわりに

 研究主題が大きいために,焦点化された実践をするのに苦労した。試行錯誤の連続ではあったが日記指導の順序性や系統性,発展性が少しずつ見えてくるようになり,喜びも大きい。取り分け,自分の日記を見る目が養われたこと,効果的な評語の条件が自分なりにとらえられたことは大きな収獲であった。
 日記指導の有効性と重要性をますます強く感じているが,今後は,一人一人の児童の能力や個性に着目し,日記を書くことによる個人の変容の姿を客観的に把握するための評価についても研究してみたいと考えている。
 また,個人的な生活日記だけでなく,学習日記観察日記,読書日記,グループ日記など,公的な日記や実用的な日記などにも範囲を広げた実践も試みてみたいと考えている。


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