福島県教育センター所報ふくしま No.74(S60/1985.12) -034/038page
アイディア紹介
造形遊びの実践
テントの下は土の中
〜初歩的な造形活動の楽しさを味わわせる指導〜只見町立明和小学校教諭 田中 ケイ子
1.造形遊びについて
第1学年の学習指導要領<表現>領域の目標(1)に「初歩的な造形活動の楽しさを味わわせる。」という児童の特性をふまえたねらいが示されている。それを達成させるための活動として<造形的な遊び>が位置づけられた。
『造形遊びは,名の無い遊び,広場があれば,木切れや紙や空き箱があれば,いつのまにか始まる。そこには,色や形があり,リズムもハーモニーもある。子供たちは,全身を使って,ものに挑み,対象を凝視して空想し,模倣し,変身して遊びを繰り広げる。そして,遊びを通して,造形の楽しさや広がりを知り,作業や活動に,速さや深め方のコントロールを身につける。ひとりで2人で,もっと多くの仲間を集めて大きな活動を生み出すのである。』造形活動の良さがここにある。2.「テントの下は土の中」を取りあげた理由
子供たちが,生き生きと表現活動をし,その喜びを十分に味わわせるためには,子供たちの生活の中にある遊び的な造形活動を学習の中に積極的に取り入れ,意図的に経験させていくことが必要である。そこで,造形遊びの内容(からだによる表現,材質への作業,空間への活動,構成遊び)を児童の実態に合わせ,時期を検討し,総合的に取り扱うことを考えた。
テントの下は,天井で覆われた空間でだれにも干渉されない自分の世界である。中に入ることで子供たちは楽しさを味わうことができる。入ったり出たり寝ころんだりすることで別の世界に入ったように感じる。また,その空間に並べたり,ぶら下げたり,積み上げたりすることによって,造形遊びのねらいを十分に達成することができる。3.造形遊びの実践
(1)児童の実態
「図工の時間は好き」という子供が多い。特に造形的な遊びの時間は,みんな大好きで,ひじょうに興味を持っている。
今まで行ってきた遊びの中では,「砂遊び」「空き箱積み」「積み木」「ブロック積み」「カップ並べ」など,人気があった。
ここでは,今までにない体験を通して,全身的な造形活動,及び,テントを使った空間への活動を十分生かして楽しませた。
同時に,みんなで仲よく,自由に活動し,子供たちの創造活動の世界を十分に満足させた。
(2)指導計画
第1次 ペックス紙や段ボール箱を使ってアリに変身する。(2時間)
−洋服にも模様をつけて変身−
第2次 アリの部屋を作る。(2時間,本時1/2)
−並べてぷら下げて積んで−