福島県教育センター所報ふくしま No.75(S61/1986.2) -015/038page

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研究者紹介

小学校理科(B)講座を受けて

只見町立明和小学校教諭
田中 ケイ子

1.講義と演習
 「相談的な教師」の講義から始まり,2年生の授業研究,合科的指導,学習活動の工夫と教材・教具の製作,理科指導上の諸問題と,4日間の研修日程の中で,低学年の理科のすべてを受講してきました。短時間の中で,要点をおさえ.わかりやすく,親切に教えていただきました。どの講義をとっても得るものが大きく,これからの実践に役立つことばかりでした。
 中でも,2日目の授業研究は「さすがだなあ。」と思いました。児童一人一人を生かした教師の発問と板書.子供たちがのびのびと活動していた「愛の広場」でのシャボン玉とばし,児童の実態をふまえて作られた学校独自の理科ノートの活用そして,紙上では表現できない教師のテクニックがありました。この授業を通して,理料指導の本質を体得できたような気持ちになりました。
 次に,今回の受講の中で一番楽しかったのは.4つの教材・教具の製作と観察でした。

(1)植物のしくみを一目で理解できる標本づくり は,セロハンテープを生かしたアイディア学習でした。インパチェンスやゼラニュウムは,「花のしくみ」がはっきりしているので取り扱いが楽でした。配当された時間を有効に使って,すてきなおし花をたくさん作りました
(2)小動物の特徴と生活のしかたを観察しました。 低学年に出てくるハサミムシやダンゴムシの飼い方について,疑問を持っていたので.とても勉強になりました。実験の方法も,小さなペトリザラにろ紙を入れて,明暗をはっきりさせると虫の習性がいち早く表れました。この時,初めてハサミムシの卵を見ました。
(3)輪ゴムやおもりを使って「動くおもちゃ」を作りました。「いったりもどったり車」ではゴムとおもりの調節がうまく合わず,完全に動きませんでした。教室の子供たちが,「先生なんないよ−.」と言ってくる気持ちがよくわかりました。何回も,おもりをはずしてみましたが時間内には.成功しませんでした。一方「走るカメ」は,よく動き手軽だったので,たくさん作って楽しみました。
(4)物が水に溶ける様子をOHPを使って見ました。教育センターで特別に作られた容器の工夫とOHPの投影法が印象的でした。
  この日は,お土産がたくさんできました

2.現場での実践
 教育センターから帰って.伝達講習を行いました。同じ低学年の先生方には,「標本」や「動くおもちゃ」を出して,詳しく話しました。
 また,教室の子供たちにも.草花の標本のやり方を説明して,実際に作らせてみました。子供たちは私が教育センターで学んだ以上に,喜んで取り組みました。
 これから,12月にかけて出てくる「動くおもちや」についても学んだことを生かしていきたいと思います。

3.お礼と感想
 「センターの先生方って,どうして,こんなに温かいのかなあ。帰る時,毎回 私もあんな真の聖職者のような先生になりたいなあ…と思いました。そして,豊かな発想の大事さを今回も感じました。4日間本当に楽しく過ごすことができました。」と,研修の最後の日,講座反省記録にこのような文を書いたことをはっきり覚えています。
 私たちに,こんなにも自信を持たせ意欲を与えて下さったご拶導の先生方に感謝します。と同時に「理料の授業」について,明りがさし始めたのでその光を求めて少しずつ勉強していきたいと思います。
 最後に宿舎で共に生活していただいた先生方,グループ活動で協力して下さった先生方に深く感謝申し上げます。

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