福島県教育センター所報ふくしま No.76(S61/1986.6) -013/038page

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興味・関心をそそり理解を深めることができる。
4.園芸用土中の鉱物は、市販されている高価な鉱物標本に代わるものとして、大へん優れている。洗い出しによって得られた各鉱物は写真フィルムケースに入れて保存しておくとよい。

−鉱物粒の簡易プレパラート作り−
 板目表紙を購入し、スライドガラスの大きさに切断し、穴あけ用皮ポンチ(10m/m)かコルクポーラで板目表紙に穴をあける。

(1) 穴あき板目表紙の裏面にスプレー糊を吹きつけるか木工ボンドをつけて、スライドガラスに貼りつけ、スライドガラスプレパラート台を作る。
スライドガラスプレパラート台
(スライドガラスプレパラート台)

(2) 穴あき板目表紙の裏面に、セロハンテープを貼りつけ、セロハンテーププレパラート台を作る。
セロハンテーププレパラート台
(セロハンテーププレパラート台)

(3) スライドガラスプレパラート台とセロハンテーププレパラート台の穴に、園芸用土中から採集した鉱物粒を3〜4粒、湿らせた竹ベラの先で取って載せる。鉱物名など必要事項をプレパラート台に記入する。
簡易プレパラート標本
簡易プレパラート標本

(4) 板目表紙の穴を6cm間隔で2個あける。簡易実体視鏡を使用することによって、鉱物の一部を立体視用標本としても使用できる。
(簡易実体視鏡で立体視できる物体間の距離は約6cmである。)
簡易実体視鏡と簡易プレパラート標本
簡易実体視鏡と簡易プレパラート標本

4 おわりに
 園芸用土中に含まれている鉱物は、セキエイ・チョウ石・クロウンモ・カクセン石・キ石・カンラン石・磁鉄鉱が大部分で、これ以外の鉱物はまれである。鉱物の色や形、光沢などの特徴を観察する一方観察資料を作る過程で、自然科学に大切な「分離・分類」といった科学の方法を学習するのに役立つ。
 ・身近に手に入る材料で実験・観察ができる。
 ・生徒にも造岩鉱物のプレパラート(セロハンテープ使用)製作が可能である。
 ・生徒の学習意欲が旺盛になる。
 以上のような効果が期待できるので、各学校でぜひ試みてほしいものである。

〈参考文献〉
・地学教材の研究(1985) 全国理科教育センター研究協議会編
・第136回 全国理科教育センター 地学研究発表集録
・地質学事典
・中学校理科の学習指導に関する研究(1986) 福島県教育センター


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