福島県教育センター所報ふくしま No.77(S61/1986.8) -004/038page
(10) 自己評価票
これまで進めてきた6時間の調べや発表を中心とする学習について,以前の学習と比較して,素直な気持ちを述べなさい(数字を○で囲む)4 結果と考察
(1)形成的テストについて
今回の形成的テストは,代表的な先進資本主義工業国について,基礎基本的なものを知識・理解の観点について主に出題した。各大問ごとに5つの小問を設け,4問正解で到達と判定した。結果は次の通りである。
生徒の誤答傾向によって個別に指導を加えた。大問〔3〕〔4〕については,次時に時間を確保して基本的なことの確認を行った。
各小問ごとの正答率 1 2 3 4 5 (1) 63 42 93 93 47 (2) 100 93 74 84 46 (3) 47 42 80 86 26 (4) 70 28 16 26 19
各大問ごとの到達者数 上位者 中位者 下位者 計 % (1) 10 8 2 20 47 (2) 11 15 4 30 70 (3) 6 7 1 14 33 (4) 0 0 3 3 7 人数 13 19 11 43 100
今回の結果によって,基礎基本だと思っていた知識が,生徒に定着していないことを知ったのは本当に驚きであった。このことは,生徒が当然知っていることとして授業を行ってきた教師側に,大きな問題点があることを示している。診断テストによる生徒のレディネスの把握が,いかに大切であるか痛感した。形成的テストの結果によって,一部授業計画を変更して,再確認の時間を授業の中に設けたことは,必要なことである。小単元目標の再検討をふくめ,形成的テストの作問技術や方法等を,生徒の実態に合ったものにして行く必要があると考えている。
(2)自己評価票より
自己評価票の集計結果は次の通りである。集計数は,上位生徒13名,中位生徒22名,下位生徒10名,合計45名である。
1.予想 評価 上 中 下 計 5 2 1 1 4 4 3 9 2 14 3 6 6 7 19 2 2 5 0 7 1 0 1 0 1 平均 3.4 3.2 3.4 3.3
2.資料 評価 上 中 下 計 5 0 0 0 0 4 6 13 3 22 3 6 7 5 18 2 1 2 2 5 1 0 0 0 0 平均 3.4 3.5 3.1 3.4
3.調べ 評価 上 中 下 計 5 2 2 1 5 4 6 4 3 13 3 4 14 2 20 2 1 2 4 7 1 0 0 0 0 平均 3.7 3.5 3.1 3.4
4.発表 評価 上 中 下 計 5 0 1 1 2 4 1 3 3 7 3 8 16 2 26 2 3 2 4 9 1 1 0 0 1 平均 2.7 3.1 3.1 3.0 集計結果より,以下のことが明らかになった。
5.小テスト 評価 上 中 下 計 5 3 3 2 8 4 5 7 2 14 3 5 5 4 14 2 0 4 1 5 1 0 3 1 4 平均 3.8 3.1 3.3 3.4
6.活発 評価 上 中 下 計 5 0 0 0 0 4 0 9 2 11 3 9 10 5 24 2 3 1 3 7 1 1 2 0 3 平均 2.6 3.2 2.9 3.0
7.充実 評価 上 中 下 計 5 1 2 1 4 4 4 8 3 15 3 6 10 5 21 2 2 1 0 3 1 0 1 1 2 平均 3.3 3.4 3.3. 3.4
8.継続 評価 上 中 下 計 5 1 2 3 6 4 5 8 0 13 3 4 8 4 16 2 2 4 2 8 1 1 0 1 2 平均 3.2 3.4 3.2 3.3
1 発表のおもしろさと,学習での活発さの項目は,平均で3.0,それ以外の項目は3.3と3.4であった。生徒はプラスの評価をしており,今回の学習方法は,全体的には有効性が見られると判断した。
2 資料の読み取りと,調べ学習で,下位の生徒の評価が低いことは,明確で易しい資料を提示したり,調べる方法を個別指導することの必要性を示している。
3 発表については,上位の生徒で評価の低い者4名は,重要な所とそうでない所の区別ができにくいとの意見を述べている。このことは.教