福島県教育センター所報ふくしま No.77(S61/1986.8) -007/038page
た教材である。児童はふるえるものから音がでることを学ぶ。糸電話では糸がそのふるえを伝えるものであったが,糸のかわりに光(ここでは太陽光を使う)を利用しても音がちゃんと伝わっていくことに大きな驚きを与えることができる。その驚きとともに,なぜだろうという疑問が生じ,光通信の原理を想像できる多くの児童をつくりだすことができる。
(1)材料と使用器具
○カッティングシート
(幅45cmで1m当り900円,文具店, 光をよく反射する金色や銀色のもの)
○太陽電池
○アンプとスピーカー
(運動会などで使用するようなアンプ)
○ヨーグルト・プリンなどの容器類
(2)反射送話器の作り方(例)
(3)実験
反射送話器を用いて太陽光を反射させ,反射光を太陽電池に当てる。授業が行われる日中は太陽の高度が高いので,児童ははじめ反射光をうまく太陽電池に当てるのに苦労するが,それがかえって反射の法則に気付かせるのには有効である。
太陽電池は,直射日光の当たらない場所におく。直射日光に当てておくと,反射光の光の変化が検出できなくなるからである。また太陽電池の出力は,図1のようにアンプのマイク入力に接続する。
実験では,10mの距離までは,反射送話器を手で持っていても十分送話できた。 それ以上の距離になると反射光が広がり,また大きく動いてしまうので手持ちでは困難である。
スピーカーからでてくる音は,明瞭ではないが内容は聞きとることができる。明瞭でないのは,カッティングペーパーの厚さに主な原因がありもっと薄い反射材であれば明瞭度が増す。
なお容易にできる反射膜として,台所用の薄い透明なラップに,ペイントマーカー(銀色・金色のもの・・…・文具店にある)を塗りつけてもよい。反射率はカッティングペーパーより悪いが,近距離では明瞭度が増す。さらに,反射膜としては白い紙でもよいのである。つまり,光を良く反射する薄くて軽くよくふるえる材料であれば,反射膜として使用できる。