福島県教育センター所報ふくしま No.77(S61/1986.8) -020/038page

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5.研究の成果と考察

    A=よい B=ふつう C=わるい

(1)
進路指導の時間(1年10,2年14,3年16時間)

時間の円グラフ

 ○ 題材から考えて時間配当が適当であったと考えられるが,学習・生活・保健等を扱う時間が不足する懸念がある。

(2)
学級指導の題材は,適切なものであったか

題材の円グラフ

 ○ それぞれの題材について検討すれば,1つにまとめたり,2時間に分けたりした方がよい題材もあるが,全体としてはよかったといえる。

(3)
指導案における段階のとり方はどうか

段階の円グラフ

 ○ 気づかせる・考えさせる・意欲づけるの分け方は,一つの方法として適当であったと受けとめてよい。

(4)職業的発達からみた評価

 5−よい 3一ふつう 1−わるいの5段階評定で,各学年左側は教師の自己評価,右側は生徒の評価の割合を示している。
職業的発達からみた評価


6.おわりに

 先輩の声を使って意欲を高めた授業,調査資料やカードを利用して話し合いを盛り上げた授業,TP・VTR など機器を使用して内容を深めた授業など質の高い授業が実践された。授業準備の面では,同学年の職員の協力による資料収集や内容の工夫,授業研究会,生徒活動を取り入れた資料作成など,授業充実に向けてのすばらしい活動があった。
 進路に対する考え方は,生育歴・家庭環境・将来の希望・得意不得意など様々な要因がからみ合って決まるものであるから,それこそ十人十色である。ここに進路指導,生徒理解のむずかしさがあり,心の内面の変化を読みとるための資料収集のむずかしさがある。その上,指導したからといって,生徒の考えがすぐに変わるものだろうかという不安がある。このような不安を抱きながらも今やらなければならないことは,自己実現を目指し充実した生活を今後も続けていける生徒の育成を目指して,実践を積み重ねていくことではないだろうか。中学校における進路指導は,高校進学だけに目を向けるのではなく,人生設計の援助であることを忘れず,進路指導の充実に努めていきたいと考えている。

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