福島県教育センター所報ふくしま No.77(S61/1986.8) -024/038page
自ら学ぼうとしない子にとって評価は最も大きなはげみになっていると思うからである。児童を生かす評価という観点から,自らの学習を自らが評価するのが本来の姿であろうと考える。段階的なノート指導をすることにより,自らを自らが評価できるようにしたものである。
<第2段階のノート> N子(中位)
学習のめあてに対する自分の考えを記入する。子どもたちは,自分の考えをもって学習していくので目的が意識化される。そして自己たしかめの問題に答えた後,自己たしかめをする形をとった。
<第3段階のノート> N子(中位)
第3段階のノートでは,全項自を自分で設定しているとは言っても,全員がこの様にできるということではなく,設定できない子に対しては,1つでもよいからと指示しておくと全員書けるようになる。
N子のノートを見ると,学習めめあてに「消防署ではふだんどんなことをしているのだろうか。」とあるのに対して,自己たしかめの項目3に「消防しょで,ふだんどんな仕事をしているかわかったか。」と,きちんと設定しており,自己たしかめ能力の高まりを確認できる。
また,自己たしかめの下に「次のじゅぎょうのめあて」と,自分で記入しており,次時への意欲が感じられる。
<ノートの展覧会>
これは,友人のノートを見て歩くことを通して,自分のノートのとり方の反省(評価)をしたり,友人の良い点などを発見させるのに効果的であった。授業の終末2〜3分程度,机上に広げたノートを見て回るということで,さほど負担にはならなかった。実施した後,子どもたちの考察に「もう少し,字をていねいにわかりやすくかけばよかった。」「赤ペンでやるところがきちんとしていて,私はぜんぜんだめでした。」と,自分のノートを評価し,反省する態度が生まれてきたのである。
<自分の考えの絵読>
周囲の友人3〜4人位で.お互いに読み合い,友人の考えなどを知ることができた。こうすることにより.自分の考えつかなかった事についての発見やその逆の場合もあり,考え方に広がりが出てきた。