福島県教育センター所報ふくしま No.77(S61/1986.8) -027/038page

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<Kチームの5秒間走と10秒間走リレー比較>
表1
 ○ チーム内の相手を変えることより,自分達のチームとしていちばん有利なオーダーを考えさせる資料ともなり,子どもたちには好評である。また,これまで直感的に「うまくいった。」・「よかった。」といったことで行っていたバトンパスの評価を,距離の伸びに置き換えることにより,誰にも共通の基準で評価できる。
(3)学習力一ドの利用 
   チームのめあてを解決した結果を簡単に記録し,次時へのめあてをつくるめやすとする。
<リレー・短距離走学習カード>
表2

3 指導の実際  (第2次・2/3時間)
(1)仲間とともに個が伸びていくためには,チーム内でお互いが協力して取り組むことが必要である。そこで,6名を単位とするチーム編成をし,互いに目標に向って教え合いながら楽しく取り組み,各員が力を伸ばし,高まっていくようにさせる。
(2)ねらい
スピードを落とさないでバトンパスをするための話し合いや,練習を生かして,10秒間走リレーでの加算距離を伸ばすことができる。

(3)展開(児童の活動)
 1 陥りやすい点はどんなことか話し合う。
 2 チームのめあてについて話し合う。
ピーマ:ダッシュをよくする。
NIK:合図を大きくしバトンをきちんと渡す。
キヤット:ダッシュが悪いのでよくずる。
一 揆:合図を大きくして正しく手に渡す。
コプラ:相手の速さに合わせてマークをつける。
チーター:スピードを落とさず渡す。

 3 ためしのリレーをして,チームのめあて達成の話し合いをする。
○ 受け手,渡し手のスピードが落ちないようにバトンを使用しないで伴走練習。(チーター)
○ マークに紅白玉を置き,合図してバトンの受け渡しの練習。(コプラ)
○ 腕を伸ばしての受け渡し練習。(NIK)
○ ジョタクでの受け渡し練習。(一揆)
○ 受け手のダッシュ線習。(ピューマ・キャット)

 4 チームごとの練習をする。
 5 10秒間走リレーをする。
 6 たしかめのリレーをする。
 7 学習カードで反省・まとめをする。

4 おわりに  
 スピードを落さないバトンパスに楽しさを求めた10秒間走リレーは,走った距離に直すことを取り入れることにより.学習に強い興味・関心を示し,一人一人が生き生きと楽しく取り組むことができた。また,学習カードの利用ではめあてを明確にして取り組み,目標達成への活力が生まれ,教え合いの場面が数多く見ることができた。
 体育の授業は技能形成過程とともに,認識・心情・地位・投割・モラル・コミュニケーション過程の総合としてとらえ,人間形成の営みであることをふまえ,子どもサイドに立ったねらいやめあてづくりを実践し,楽しさを求めて,工夫した体育学習を今後も心がけたい。

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