福島県教育センター所報ふくしま No.78(S61/1986.10) -006/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

中学校学習指導(情報処理)

パソコンを使用した「整数」の指導

科学技術教育部    渡 辺 栄 一



  1.はじめに
 近年,学校教育にもコンピュータを導入して,児童・生徒の育成に役立てようという気運が特に高まってきている。
 コンピュータを利用することの効果として,次の(1),(2)が主に上げられている。
(1)シミュレーション,情報検索.情報処理などの機能を使うことにより,授業への興味・関心を深め,論理的思考力・問題解決能力・情報処理能力などを,より高め,深めることができる。
(2)各人が,自分のペースで学習を進めることにより,学力差に応じた学習が可能になり,適切な個別指導を行うことができる。
 ここでは,中学校1年数学「整数」の1時間を取り上げ,次ページの学習指導案にもとづいてプログラムを作り,検証をおこない,効果と問題点について考察してみた。

 2.コースウェアによるプログラムの作成
本 時 の 目 標 プログラム プログラム作成上のねらい
自然数の意味を理解させる。

整数の加法の性質を理解させる。
整数の減法の性質を理解させる。
整数の乗法の性質を理解させる。
整数の除法のしくみを理解させる。
整数の除法の性質を理解させる。
約数の定義としくみを理解させる。
約数の性質を理解させる。
倍数の定義としくみを理解させる。
倍数の性質を理解させる。
MON−1

MON−2

MON−3

MON−4

REI−1

MON−5

REI−2

REI−3
REI−4

REI−5
クイズ的な問題で,学習への,興味・関心を引く。
問題を解かせ,和の性質を考えさせる。

問題を解かせ,差の性質を考えさせる。

問題を解かせ,積の性質を考えさせる。

小学校での学習を復習させ,約数への導入とする。
問題を解かせ.商と余りの性質を考えさせる。
REI−1を受けて,約数の定義・しくみを説明する。
約数の例を示し,約数の性質を考えさせる。
REI−2を受けて,倍数の定義・しくみを説明する。
倍数の例を示し,倍数の性質を考えさせる。
※ MONは問題形式.REIは例題形式のプログラムである。

 3.作成上の留意点
 プログラムを作るについては,できるだけ同じパターンの課題や例に心がけた。その理由は,生徒の思考を混乱させないように留意したことと,違うタイプのプログラムを作る労力を省きたかったことである。更に,生徒にパソコンの操作のしかたで,無用な混乱をさせないようにするため,数字のキー,リターンキー,PFキーだけで学習が進められるように配慮した。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。