福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -003/038page
◎手織機の応用 …厚紙で長短の穴をあけた
を作る
斜文織の場合,A・B.Cの3枚の
が必要
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空箱利用の手織機 |
作品(しおり5×10cm,
コースター10×10cm) |
(4)まとめ
○織物の三元組織を色紙を使って再現することにより,基礎知識の裏付け,確認ができる。
○応用として毛糸を使って布の出来る過程を実習することで知識の深化が図られ,その成果が作品として残ると同時に,日常生活に生かせる。
○糸の配色等で柄織・模様織もでき,創造牲が培われる。
2 呈色反応による汚れの検出実験
この実験は,肌着や靴下などに付着する人体汚れ(汗)を呈色反応により視覚化した。下着の役割や洗濯の学習を深める教材として活用できる。
※汗…エクリン汗線からの汗は水溶性成分として食塩・アミノ酸を含む
(1)汗 −食塩−
<試料>肌シャツ…よく洗いこんでいるものを1〜3日着用したもの
<試薬>硝酸銀5%水溶液,フルオレセインナトリウム0.03%水溶液
<方法>○硝酸銀水溶液を霧吹きを用いて吹きつけ,15秒位おいて フルオレセインナトリウム水溶液を吹きつける。
(原理)この方法は銀滴定に用いられるファヤンス法を応用したものである。フルオレセインNa溶液は,黄色で吸着指示薬として使用されている。ハロゲン化銀に吸着されると赤色に変わる性質を利用する。
Nacl+AgNO
3
→NaNO
3
+
Agcl
⇒赤色化
(硝酸銀) ↑
フルオレセインナトリウム溶液(黄色)
(2)たん白質 −アミノ酸−
<試料>前と同じ
<試薬>ニンヒドリン1%水溶液
<方法>○ニンヒドリン水溶液を吹きつけ,アイロンかドライヤーで熱する。
(原理)ニンヒドリン(C
6
H
6
O
4
)はアミノ酸と反応して赤紫色を呈する性質があり,アミノ酸の検出に用いられる(ニンヒドリン反応)
(3)結果 着用1日では呈色の程度は薄く,骨格や着用ジワがみられた。3日間は呈色が著しく,汗は茶褐色に呈した。部位による汚れのつき具合をみると,汗(食塩)は,
わきの下
が最も著しく次に背・胸→腹→腰となり,(たん白質)は
背中・胸
→わきの下→腹→腰という結果がみられた
肌着のよごれ |
汗(塩化ナトリウム)の検出 |
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アミノ酸検出 |
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(4)まとめ
○わずか1日の着衣でも汚れが視覚化され,肌シャツの汚れの程度が容易に理解でき,正しい着方,洗濯への認識を高めることができる。
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