T ところで,さっき,寝つかれないとか人の視線が気になるとか言ったけど,その他,気になることは?(6)
C 馬鹿らしいんですけど,よく手を洗います。きれいになったと自分で納得するまで洗わないと気になります。
T う−ん。そういうことは,いつごろから?
C 高2のころからです。そのころは,風呂に1時間半以上も入ってました。
T 1時間半も・・・…。なにしてたの?
C 洗いおけをきれいに洗ったり,身体を何回も洗ったりしてました。
T そう,それで.今は?
C そういうことはしなくなりましたが,人が触れたものは気になって…・‥。
(この後,心理検査を実施しました。)(7)
<中略>
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6.カウンセラーとして必要な態度
カウンセラーの態度として,受容的,共感的な姿勢が必要であることは,既に述べてきたとおりです。この他に,「客観的な態度」や「自己一致した態度」などが必要です。
<客観的な態度>
クライエントを受容しながらも,常に冷静に判断する態度が要求されます。この事例でも.寝つきとか視線とかから,神経症的な強迫行為の有無を確かめようとフイードバックしています。
<自己一致した態度>
例えば,面接中に相手に対する批判的な気持ちがわいてきた時に,それを抑制して見かけだけ受容するのではなく,批判的な自分を受容しながら相手の話を聴く態度のことです。
7心理検査については.次号で詳しくふれます。 |