福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -015/038page
は”視聴覚教材は感覚的・具象的であり,それだけ写実牲や迫真性も高いので,児童生徒への興味を喚起し,学習意欲を盛んにすることができる,と述べているとおり,視徳覚教材の利用が学習指導に果たす役割は大きいのである。したがって,これら,ひとつひとつの積み重ねが,教育工学的手法に結び付いていくのである。
では,おもな教育機器の利用状況はどのようになっているのだろうか。県内の小学校・中学校のアンケート調査の結果から次のようなことが判明した。
<教育機器利用調査>
授業を行う際,使用頻度の高いもの三つを次の中から選んでください
1. OHP 2. 8mm映写機 3. 16mm映写機 4.スライド映写残 5.コンセプト映写機 6.放送の生利用 7.放送等の録画利用 8.テープレコーダー 9.シート式録音機 10.ラジオ 11.レコー ドプレーアー 12.写真機 13.LL装置
この表を見ると,第1位がOHP,第2拉がテレビの生放送利用.第3位がテープレコーダーとなっている。OHPは,いずれの学校においても使用され,各教室内に浸透しているようである。
小学校の2位・3位が,テレビ.テープレコーダーとなっているのに対して中学校の2・3位は一様でなく多彩なのは教科のもつ特性によるものと思われる。
次に,第1位のOHPの利用状況をみると,校種間の利用状況の差は明らかであり,中学校の利用が少ない。また教科によっても相当な差のあることがわかる。
OHPの利用状況は,小学校,中学校ともに第1位であるが,その利用頻度は調査内容と結果を見る限り低く,あまり利用されていないことがわかる。したがって.他の機器の利用頻度はもっと低くなっているのが現状である.