福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -031/038page
つなぎ親学級へいくようになった。
〔K男の気にいった好感のもつ子の援助があり,スムーズに集団の中にとけこんでいった。〕
・12月9日
親学級にいって,体育をやる。迎えにくると喜んでいく。「ただ今。」といってもどる。「おもしろかった。?」と聞くと「おもしろかった。」という。
「何してきたの。」「きかさんな。」といわれた。
〔教師の話しかけは,子どもの表情から読みかけることが,大切でしっこく聞くことは逆効果である〕
教師の働きかけ
○ 親の変容〜〜子の変容
親が余裕をもって,子どもに接するようになり子どもの表情が明かるくなり笑顔が見られるようになる。
○ 興味のあるもの(漢字書きなど)に熱中するようになり,パニックがだんだん少なくなる。
○ 賞賛するとき「じょうずにできたね。」と,大きな声で強調してほめる。握手をしてやる。
○ 「禁止。」を前面にださないで少しぐらいのことは,子ども達を見守るようにしてきた。
(3)
3年生になって集団の中で遊ぶK男
・ 4月10日
自閉症の1年生3人が下校すると「ママ来て−。」と,泣きじゃくり教師が黒板に書いた文字を手で消した。
〔1年生が帰ると自分も帰りたくてパニックがおきる。〕
・4月16日 運動会の練習
1・2年の時から同級だったA男が迎えにくると帽子をかぶりA男の後についていく。練習時に,パニックをおこすがかまわないでいると,また「まざる。」という。
〔自閉症児は,すききらいがはげしく感情をむきだしにするため,固定した子どもの接触を強めることもひとつの方法。〕
・9月7日
1年生のめんどうを見るようになった。着がえの用意。えんぴつをかしたり,帰りの用意も手伝うようになった。
〔自分より小さい1年生の世話(ことばでなく動作で)をするようになったことは,大きな成長である。〕
教師の働きかけ
○ 新しい環境や,未経験(ひとつの場面から他の場面にうつるとき)のことにパニックをおこしやすいので,事前に何回も言い聞かせておく。(明日は,全校朝の会があるよ。授業参観は,何日にあるよ等)
○ どんなときに,パニックをおこしやすいか,わかってきたので事前に察して阻止する方法をとっている。
○ 話しかけを多くすることにより,おうむがえしのことばも,だんだん感情の入ったことばがでるようになった。
○ 教師も,子どもといっしょに遊ぶようにつとめた。
〔子どもの気持ちもわかるようになった。教師のことばも,わかるようになった。友だちの声かけや働きかけも大きな影響がある。〕
(4)
集団学習に積極的に参加できるようになったK男
1 生活単元「電車ごっこ」
ア 目標
○ みんなで協力して身近な材料を使って電車を作らせる。
○ みんなで,駅員,運転手,乗客になって役わりをわからせ楽しい電車ごっこをさせる。
○ 駅の名前,言語・数量学習,歌,リズム学習をとおして人にめいわくをかけずに規則を守り社会生活に役立つようにさせる。
○ 準備や,後始末もお互いに協力してさ